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#992 / 2016.03.13

心を折らないドライブ

人間ならば誰しも「心が折れる」状況はあります。

「心が折れる」とは、懸命に努力してきたものが何かのきっかけで挫折し立ち直れなくなる状況を指します。
こうなると、心の支えを失って諦めたり前向きに考えられないような状態に陥ってしまいます。

折れ方もいろいろあるようで、自衛隊のメンタル教官として活躍された下園壮太さんの記事にはこう書かれていました。


■「折れる」には2つのパターンがある
 ここでは「折れる」ことを、結果的にある仕事や職をやり遂げられない状態に陥ることと定義しよう。実は「折れる」にも、2つのパターンがあることに注意するべきだ。

1つ目は、中レベルまでのストレス状態で「折れる」場合。
中レベルとはみんな苦しいが、それを我慢してなんとかやっている、やれている状態。現代社会で働く人々のほとんどが、この中レベルのストレス状態の中で仕事をしていると考えていい。この状況で「折れる」人は、一般的には、責任感がない、意欲がない、能力がない、小さなことで悩み傷つく、人に援助を求められないなどの特徴があるだろう。

「折れた状態の人」をたくさんケアしてきた私の経験でも、確かに半数は、このイメージの通りだろう。こういう人へのケアは、挫折したつらさを理解すると同時に、厳しい社会で生き抜いていけるような、社会人として必要な考え方や仕事の仕方を教えることが重要だ。

ところが、残りの半分は、能力があり、責任感と意欲があり、少々の挫折にはへこたれず、困ってもすぐに他者の援助を受けられる、そんな「折れそうもない人」が折れているのだ。
これが2つ目の、高レベルのストレスで「折れる」場合だ。高レベルになるには、強度と時間が関係してくる。中レベルのストレスでも、それが長く続けば高レベルになってくると考えてほしい。

高レベルで折れる人には特徴がある。それは、中レベルのストレスでは「優秀」とされていた人材が、突然折れてしまうことだ。

(中略)

■ストレスにやられるのではなく「疲労」にやられる

人は緊張すると疲労を感じないで仕事をすることができる。特に中レベルまで「よくできる人」の中には、疲労を感じない技術を高めてきている人が多いのだ。

中レベルまでのストレスは、問題解決力で何とかうまくこなせる。その時にエネルギーも使うが、それを「感じない」ように対処する。これが優秀な人の一つのパターンになっていることが多い。

その人が、高レベルのストレス状態に置かれるとしよう。
ストレスの程度にもよるが、例えば震災のような大きなショックや昼夜の逆転が続き、困難な決心を伴う作業の連続でも、2〜3カ月までの間なら、本来の問題解決能力で、表面的な業務はうまくこなせるだろう。

ところが、その間に「疲労」が蓄積していくのだ。そして疲労がある段階に達すると、体から脳に「これ以上動くな。弱っているからこれ以上の作業を命ずる人を警戒せよ」という指令が出るようになる。意思とは関係なく、気力と集中力が低下する。すると本来の問題解決力が発揮できなくなり、トラブルが増え、さらに疲労がたまるという悪循環に陥るのだ。
本来のその人なら周囲に助けを求めることもできるが、この状態になるとイライラや猜疑心が非常に強くなり、簡単に援助も求められなくなる。いつもの彼とは違う状態になってしまうのだ。私はこれを「別人化」と呼んでいる。
そして優秀だった彼が、突然業務を投げ出すなどの「折れる」という状態になってしまうのだ。


下園さんによれば、積極的に睡眠をとって日ごろから「睡眠を意識した生活様式」を訓練しておくことがお勧めなのだそうです。

確かに対処法としては睡眠は非常に有効でしょうし、完璧主義をやめるとか自分だけで抱え込まないといった思考習慣を変えることで、心が折れずに済むことは多いと思います。

しかし現実的にはそれができなくて悩んでいる人も多いと思うのです。
残業続きで帰られない職場だったり、また長年積み重ねた思考習慣はそうそう簡単に変えることが難しいです。

根本的に対策するのなら、「離れること」です。

クルマの例で言えば、運転中に同じ道路を走っている他のドライバーなんてよくわからないもので、一般車両にみえても実はとんでもないドライバーだったりするものです。
友好そうに近づいて傷つけるフレネミーかもしれませんし、悪意を持って近づく当たり屋かもしれません。
明らかに危険な風貌でいる人など少数派ですから、いちいち構うとこちらがひどく傷つけられてしまいます。

個別に対処しようとすると心と時間をとんでもなくすり減らされてしまいます。
だったら、自分から離れるほうが賢明です。

仕事や学校でもそうだと思うのです。
ストレスが多い企業であれば、顧客よりも取引先や同僚に心を折られている人は多いと思います。
学校なら先生やクラスメートと置き換えてもいいです。

それだけ大変な場所というのは得てして負のオーラが漂っており、そこに関わる人達は低次元な感覚しか持ち合わせていなかったりします。

それならば、最終手段としてこちらから離れるというのも考えたほうがいいです。
これは結構大変なのでお勧めはしませんが、そういう選択肢もあるということです。

けして自分だけで抱え込まず、みずから離れ、以後関わらないというのは、立派な戦術であって恥ずべきことではありません。
まずいのは次元の低いほうへ引きずられることです。
引きずられれば、より悪循環に陥ります。

気をしっかり持ちましょう。
必ず賛同してくれる仲間がいます。
そして、最終手段もあります。
大丈夫です。

離れる選択肢を考えてみよう。

追記(2016.03.13記)

思考を変えるのはなかなか大変だし、環境を変えるのも本当は大変。
でも、本当につらいときには、相談を聞いてもらうだけでも落ち着くもの。
心療内科で相談してみるというのも、離れるためにはすごく大切なアクションだと思います。

大丈夫です。
まだまだ捨てたものでもありませんよ。

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