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#980 / 2015.12.20

耐久消費財と投資

クルマも住宅も耐久消費財です。

耐久消費財とは、一般的に高価で1年以上の使用に耐えるものをいいます。
ただし消費財なので、いずれ劣化し使えなくなる時が来ます。

考えてみればクルマは消耗品の塊なのです。
タイヤしかりガソリンしかり、部材だって経年劣化する素材ばかりです。
そのくせ負うのは税金や維持費ばかり、さらに事故を起こせば社会的責任を追及されます。

30年前まではクルマはステータスをあらわすものと認識されていた時代がありました。
くわえて嗜好性が高いものでしたが、近年はその嗜好性が低下してきたように思います。
どこを見てもハイブリッドだのミニバンだのばかり。
メーカーもそうした売れるクルマばかり生産・販売するものだから、徐々にクルマは白物家電化していきました。
そういう状況を知りながら「若者のクルマ離れ」と若者に責任転嫁していれば、若者だってクルマを買おうとしなくもなります。
むしろ若者は「クルマがステータスとかバカじゃね?」くらいに考えているかもしれません。

住宅もそうです。
形あるものはなんでも劣化しますので、長く使えば必ず修繕が発生します。

新築を建てても数十年後にリフォームをすれば何百万円、何千万円とかかりますし、都度メンテナンスしても修繕費、そうでなくとも保険や固定資産税からは逃れられません。
それでも資産とみなすのは簿記会計上とりあえず資産に計上されているからで、いざとなれば売却できると考える人も多いようですが、大幅に「家あまり」の現代日本では、いくら愛着をもって過ごした我が家であっても想像したよりもうんと低く買いたたかれるのがオチです。

そもそも住宅は余っている状況なのに、新築神話にとりつかれて高額の住宅ローンを払っている人は多いです。
(2014年7月『平成25年住宅・土地統計調査』(速報集計、総務省)によれば、わが国では2013年10月1日時点での総住宅数が6,063万戸(305万戸増、5年前比)、空き家820万戸(64万戸増、5年前比)とのこと。総住宅数に占める割合では空き家率は13.5%と空き家数、空き家率ともに過去最高)参考サイト:読売新聞 
仮になにもしなくても減価償却で資産価値はどんどん目減りしていきます。
普通自動車で6年、木造建物では30年、鉄骨鉄筋コンクリートでも50年たてば資産価値はなくなります。

そう考えれば、耐久消費財にたくさんのお金を費やすことは損です。
もし目減りしないものを買うのなら土地くらいなものですが、路線価数千円の安い土地を持ってても毎年税金がかかるだけです。

耐久消費財はいざとなれば売ることもできますが、買う時点での売却価格を気にしてまで買っても楽しいのでしょうか?
購入価格よりも二束三文で買いたたかれるそれは、投資でなく消費にすぎません。
もし投資であるならば、感情的に嬉しいとか考えず純粋にどこまで値を上げるかを真剣に見極める、あるいは損失を最小限に抑えることができることが大切になってくるでしょう。

投資と称すれば何でも買っていい、というのもやはり何か違うのです。
費やす際にあなたなりの基準がなければ、それは投資ではなく消費であり、ともすれば浪費にもつながってしまいます。

試しに投資で成功しているであろういわゆるお金持ちはどんな特徴があるのか、ネットで検索してみたところ、

  • 倹約家が多い
  • 勉強家が多い
  • 家にお金をかけない
  • クルマにお金をかけない
  • 衣装にお金をかけない
  • 健康にお金を使う
  • 物を大事にする
  • 持っている物が少ない
  • 早寝早起きが多い
  • お金で時間を買う
  • お金と時間の損得にシビア

といった特徴があるようです。

それらを参考に考えてみると、見栄や形のあるものを求めず、また時間に余裕ができるかがお金を遣うかどうかの線引きとして重要なのかもしれません。
もちろん、あくまでも私見であってそれを押し付けるつもりはありませんが、あなたの基準で見て見栄や浪費だろうという部分は極力出さないほうがいいと思います。

基準に何が正解ということはありませんが、単に他人の受け売りの価値観で動くのはもったいないです。
クルマ1つとっても、クルマに何を求めるかで基準は大きく変わります。
白物家電でいいのか、走行性能は必須なのか、積載量は譲れないのかなど、求めるものは十人十色です。
ただしその基準は、あなたにしか分かりません。

自分なりの基準を決めて、費やすべきものを見極めましょう。
あなたの人生は他人の価値観で生きているのではありません。
自分の価値観で生きるのが一番最高なのです。

費やす基準を決めよう。

追記(2015.12.20記)

クルマや住宅だけではないですが、それ以上は分不相応だと思ったら手放すのも手かと思います。
あと、クルマにステータスを求めるのは昔の外国産高級車のイメージを引きずっているからだと思います。
小型車や軽自動車ですら上品なクルマが増えてきたのに、いつの時代で思考が止まっているのかと笑われてしまいますよ。

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