トップ > コラム > コラム No.956
 
トップ > コラム > コラム No.956

#956 / 2015.07.06

レーダーチャート

完璧すぎると、それはそれで不都合なものです。

視力検査で使われるランドルト環は、わざと一箇所空いています。
空いているからこそそこに注意がいき方向が分かるのですが、人間は完成された形よりなにか足りない箇所に惹かれる性質があります。

部分的に足りない箇所があったとしても、完璧すぎる形でいるよりずっと印象を与えることができます。
むしろ平均的すぎると、いくら優等生であっても何も印象を与えることができません。

国産車のラインナップを見てみると、どのメーカーも低燃費指向で、やれ多人数乗車だ、やれSUVだとユーザーのニーズばかりを追いかけて、気づいてみればほとんどの車種が白物家電のような没個性さを感じてしまいます。
もっともクーペやスポーツカーだからよいというわけではなく、なんというかどの車種も上手にまとめすぎて「平均的」な印象がぬぐえないのです。

例えば20年後30年後のドライバーが欲しくなるようないわゆる「名車」であるには、どこか突出した部分がありながら別の欠けた部分も併せ持つことが大事なのかもしれません。
燃費も室内空間も最悪なのにエンジン性能がやたら突出しているとか、乗り心地や運転席からの視認性がすこぶる悪いのにガレージに飾っておきたくなるほどボディデザインが秀逸であるとか、万人受けしないマイナスポイントがあったほうが総平均的なファミリーカーよりずっと印象が残ります。

印象を残すということは、万人受けを狙っていかないということです。

これは他人にとって不快なことや悪事をおこして目立つということではありません。
それは社会的に自分を追い詰めるだけの愚かな行為に過ぎません。

そうではなくて、自分の位置づけをはっきりさせるということです。
言い換えれば、どのポジションで活動していきたいのかを明らかにしてしまうのです。

この業界のトップ数%に入るくらいの知識を持つエキスパートであるとか、完全に家庭人として家事育児を過不足なくこなすとか、この趣味についてなら本が1冊書けるくらいの知識と経験を持つ程度になるとか、自分の得意不得意とする一つ一つのジャンルごとに自分の位置づけをつけてレーダーチャートにプロットすれば一目瞭然です。
そしてそのレーダーチャートは満遍なくハイスコアを採らなくて良いのです。
家庭や趣味はなおざりだけど仕事は全力ですとか、仕事も家庭もそこそこだけど趣味はほとんどなしといったような自分だけの位置づけが見えてくるはずです。
そこからできることをさらに伸ばし、できないことはきっぱり諦めてしまうのです。

できないことはできなくてもいいのです。
その分を別の場所を伸ばす余地に使うのです。
そうするといびつなレーダーチャートになりますが、そのいびつさがあなたの印象へと繋がるのです。

バランスがよければいいというものでもありません。
あなたの特化させたい部分はなんですか?

位置づけをはっきりさせよう。

サイト内リンク