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#841 / 2013.04.22

勘違い自己投資

自己投資とはどのレベルまでをいうのでしょうか?

靴やカバン、クルマなどを高価なモノでそろえることですか?
自己啓発本を読んでみたり、資格取得に励むことですか?
今後連絡しないだろう名刺を集めて満足することですか?
自分磨きという名で美容やスキルにお金も時間も費やすことですか?

人によってさまざまな定義がありますから、自己投資とは何かと問われても絶対的な解答はありません。
自己投資と言い訳しながらの浪費であったり見栄をはるだけの行動であっても、何らかの価値が得られた行動であれば自己投資といえるからです。

考え方で投資にも浪費にもなるから混乱するし、自分の都合良い解釈をしてしまうものです。
はじめに自分のなかで、自己投資とは何かを定義しておくことが大事なことです。

私の場合、自己投資とは「自分の人生を現状より楽にするために費やすこと」だと考えています。
抽象的な表現なのは、年利10%などと具体的な数値を出した瞬間に義務になってしまい、余裕のある投資とは別の性質を持った行動になってしまうからです。

定義は抽象的ですが、具体的には以下を心がけて行動を起こしたり、あるいは起こさなかったりしています。

  • 流動負債がゼロの時に投資する。
    ひらたく言えば、流動負債とは1年以内に返さなければいけない借金です。一般的に預金金利より借入金利のほうが高く、負債を抱えているときにわずかな利息を得ても、持って行かれる利息がそれ以上なら意味はありません。
    余裕の無いときに焦って得ようとしても失敗するので、まずマイナスからゼロの状態に戻すことを先決に行ないます。

  • お金だけを追い求めない。
    小さな報酬額までも追い求めて些事に囚われてしまうと、もっと大きな機会を損失することもあります。

  • 資格やスキル取得に逃げない。
    所持しても結局は他人に使われるライセンスでしかないものに、時間やお金を費やしても意味がありません。

  • 名刺集めに奔走しない。
    人脈はいわば無形資産ですが名刺の枚数やSNSの友達数が多いからといって、顔も思い出せないような見かけの友人達があなたと協力体制を組んでくれるわけがありません。浅く広くより少数でも深い付き合いができる親友が一人でもいれば御の字です。

  • 納得した投資先だけに投資する。
    配当金が高額だとか株主優待が魅力的だったとしても、企業理念に疑問を感じる企業には投資しません。心の底から応援したい企業に投資します。
    同様に自分で納得できる勉強だったり道具にしか、時間とお金を投資しません。

  • 自己満足に終始するものには投資しない。
    いわゆる「自分にご褒美」とか、他人に「やってますよ感」をアピールする行動、また他人が羨ませる意図で手に入れることはただの自己満足なので極力抑えています。ただあまりにストイックすぎても息が詰まるだけなので、余剰資金の5%は浪費してもいいと決めています。

いくつもありますが、いずれにしても考えていることはたった1つだけ。
「その時間とお金をかけて、将来的に何を得て何を失うか?」です。

いろいろなセミナーでお話をいただく機会が増えてきたのですが、私の頭では常にそんなことばかり考えています。
説明で「まったく失うものがない」という人もいましたが、そんなことはなくて必ず何かを投下しなければ得られないのです。
それがあなたの時間だったりお金だったり、あるいは信用だったりするわけです。
それでも魅力的な結果が得られるのなら安い投資だし、失うものが大きければ高い投資になるのだと思います。

ことクルマに関して言えば、クルマが投資として適切かどうかはその人の使用価値によります。

首都圏在住で月2回程度クルマを出すために毎月数万円の駐車場代をかけているならば、あまり良い投資とは言えないでしょう。
しかし、クルマが大好きで仲間達と半年に一度のツーリングを楽しむためにスポーツカーを維持していることが生きがいならば、ある意味で立派な投資ともいえます。
その人にとってどんな使用価値があるかで意味合いが変わるので、厳密にこれが良くてこれはいけないとは言い切れません。

私などは公私関係なく往復100km以上の移動はよく行ないますが、それ以前にクルマが好きなのでクルマは必要です。
そもそもクルマは、遠地への移動、荷物搬送、それに公共交通機関にしばられない移動が可能になります。
維持費はもちろんかかりますが、その先にある使用価値から考えればクルマは安いものです。

高級さをアピールとか所有欲を満たすことが第一義になってしまうと、ただの自己満足ですから投資とは言いがたいです。
ただ、箔を付けたい人なら所有することはありです。
投資とは無理のない範囲で行なうものですから、できる人がやればいいだけのことです。

こう考えていくと、そもそもあなたが得たいものは何ですか?という問いになってくるのです。
それを得るために投資をするのですから、目的があやふやだったり見栄だったりすると資本投下自体が無意味になってしまいます。

自己投資するのは構いませんが、なんとなくの自己投資ではなく、当初の目的を達成する投資に向かっているかを検証してみましょう。

自己投資の定義と目的を考えよう。

追記(2013.04.22記)

私見ですが「自分を考えを時代に合わせて変えていくこと」に対して自己投資した方がいいのかもしれません。
ただの日和見ではなく、他者の考えやその時代に合った考えを取り入れながらトライ&エラーしていくことで進化していけるものかと思います。

人間は社会に出てから数年間の経験がしぶとく残るもので、年長者になればなるほど昔は良かったと懐古をし出します。
でも、私達が生きているのは、常に今現在です。
過去へは絶対に戻れないし、過去とは時代も状況もまったく異なるのですから、過去の原体験が正義と言い始めたら「進化を放棄した」と言ってしまうようなものです。

すべてにおいて、常に未来を良くしたくて投資し続けた結果が今現在の姿なのです。
過去を礼賛するだけなら、好きなだけ過去に戻ればいいのです。

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