トップ > コラム > コラム No.835
 
トップ > コラム > コラム No.835

#835 / 2013.03.10

浸水域に戻る人とグリッドロック

東日本大震災から2年経ちます。

首都圏以西在住の人にとってはもはや過去のものになりつつあるようですが、被災県に住む立場から見れば、終わっていないことばかりです。
収束しない原発事故、帰還困難地域に帰りたくても帰れない住民、残りたいが仕事や生活基盤が整わずやむなく移転する住民、震災以前の水準まで戻っていない農林漁業、解決していない賠償問題、進まない除染問題。
その他課題山積で、震災以前に戻すにはまだまだ時間がかかりそうです。

甚大な被害をもたらした東日本大震災ですが、災害発生時に交通面で2つの課題が発生することが分かってきました。

1つは、津波の浸水域から避難する人より危険が迫る地域に入ってくる人のほうが多かったこと。
本来逃げるべき人が沿岸部の自宅にいる家族が気になって浸水域の自宅を目指して来てしまい、津波に呑み込まれてしまったケースもあったと聞きます。

もう1つは「グリッドロック」と呼ばれる超渋滞現象が発生してしまったこと。
想定容量を超える自動車が殺到して渋滞が生じ、四方に延びた渋滞の列が別の交差点の通行を妨げることで次々と渋滞が連鎖していく現象をいいます。
震災時にグリッドロックに嵌まると渋滞の中にいる自動車が動けなくなるだけでなく、緊急車両が通れないとか、嵌まったまま動けず何十台も津波で流されてしまう問題が発生しました。

グリッドロック解消については橋など車両が密集するような道路の車線を増やすとか道路への流入を制限するといった意見は出ているようですが、まだ研究が始まった段階で具体的な解決策が導き出されているわけではありません。

しかし災害初期の避難方法について、私なりに考えてみたことは以下の点です。

  • 沿岸部など浸水域にいる人は普段から避難場所を確認しておいて、災害時にはすぐにまとまって自動車以外で逃げる。
  • 浸水域の外にいる人は絶対に浸水域に戻らない。
  • 地震直後は交通流量が多くなるので大型スーパーなどに停めて安全な場所に自力で避難する。
  • 自動車の移動はできるだけ控えてしばらく様子を見る。

これらはあくまでも私の考えで間違えているところがあるかもしれません。
ただ経験上、渋滞によりクルマが災害初期の避難手段として有用でなかったことと内陸部でも灌漑用貯水池が決壊したことを考えると、クルマに頼らず自力で逃げること、また水辺には近づかないことが大事なのではないかと思います。
ただ、災害時は気が動転して自分の安全だけを考えて行動してしまう人は少なからずいますから、まずは冷静に慌てず安全な場所に避難することが先決でしょう。

最悪の場合はクルマを犠牲にするしかありませんが、本当の緊急時ならば背に腹は替えられません。
まずは生き延びることです。

本当にピンチの時は、クルマより命を取ろう。

サイト内リンク