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#816 / 2012.10.28

車載情報システム

メルセデスベンツは車載情報システム(In-Vehicle Infotainment:IVI)「mbrace」の次期システムに、フェイスブックやGoogle検索、位置情報の提供などの機能を実装する予定としています。

これにより、どの友人が近くにいるかがわかったり、目的地に向かっているときの予想到着時間をフェイスブック上に自動投稿してくれたり、友人が好評価を示したレストランを運転中に知ることができるというものです。
さしずめ「フェイスブック漬け仕様」と言ったところかもしれません。

またスマートフォンやPCを利用して、車外からロックしたり自動車の状態がチェックできるようです。

これはクルマに新しい機能を付加していく面白い試みだと思います。
近年ではハイブリッド化のためにリチウムイオン電池を積んでみたり、さかのぼれば80年代には自動車に電話が車載されていたようです。
ことクルマにはその時代を象徴するアイテムが付けられていく傾向があるようです。

しかしながら私は、同時に陳腐化した発想でもあると感じてしまいました。

たくさんの夢ある家電製品がどこにでもある白物家電となっていったように、クルマも耐久消耗財として捉える人が増えている今、クルマをベースにたくさんの機能を付加していく志向そのものがそもそも陳腐化しているのではないかと思うのです。
国産のテレビやパソコン、あるいは携帯電話を見れば分かるとおり、使わない機能をたくさん搭載して外国産製品にシェアを奪われるさまはたくさんの人が見てきているはずです。
結果、国内メーカーは自社の自己満足のために使わない機能を盛りだくさんにし、そして自滅しつつあるように思います。
フェイスブックとて今時点は飛ぶ鳥を落とす勢いですが、いずれ「フェイスブック疲れ」なる現象が起きて廃れてしまう可能性もあるでしょう。

ものをつくる側は「これだけ素晴らしい機能があれば満足する」と考えます。
お客様が求めていれば、それは間違いではありません。
あくまでも、お客様が求めていれば、の話です。

それでもお客様が求めるならとことん突き詰めていくことは有り、です。
ただし技術競争になると行き着く先は価格競争や体力任せの泥仕合になります。
もっと上にある提供側の思想や考え方でお客様を本当に喜ばせられる方策を決断してから専念して突き進めないと、お客様だけでなく自分に関わるすべての人間が不幸に陥ります。

物事を進めてもいいし、場合によっては勇気ある撤退もできる状態にあることが大事なのかもしれません。
過去の考え方のままで今も、そしてこれから先も行けるかどうかはわかりませんが、きっと変化に対応できなければうまく進めないのではないでしょうか。

技術スキルよりビジョンを持とう。

追記(2012.10.28記)

クルマがないとインターネットができない人ならともかく、多くの人がネットにつなげられるこの時代に必要な機能とはいえません。
しかし、時代に合わせていろいろな試みをしてみることはとても大事で、私も含めその心意気は学ぶ必要があるでしょう。

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