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#813 / 2012.10.07

逆説十条

米国の行政官僚ケント・M・キース氏が学生時代に書いた小冊子「リーダーシップの逆説10ヵ条」には、逆説の十ヶ条なる言葉があります。

〜 逆説の十ヶ条 〜

  • 人は不合理で、わからず屋で、わがままな存在だ。
    それでもなお、人を愛しなさい。

  • 何か良いことをすれば、隠された利己的な動機があるはずだと人に責められるだろう。
    それでもなお、良いことをしなさい。

  • 成功すれば、うその友だちと本物の敵を得ることになる。
    それでもなお、成功しなさい。

  • 今日の善行は明日になれば忘れられてしまうだろう。
    それでもなお、良いことをしなさい。

  • 正直で率直なあり方はあなたを無防備にするだろう。
    それでもなお、正直で率直なあなたでいなさい。

  • 最大の考えをもった最も大きな男女は、最小の心をもった最も小さな男女によって撃ち落されるかもしれない。
    それでもなお、大きな考えをもちなさい。

  • 人は弱者をひいきにはするが、勝者の後にしかついていない。
    それでもなお、弱者のために戦いなさい。

  • 何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
    それでもなお、築きあげなさい。

  • 人が本当に助けを必要としていても、実際に助けの手を差し伸べると攻撃されるかもしれない。
    それでもなお、人を助けなさい。

  • 世界のために最善を尽くしても、その見返りにひどい仕打ちを受けるかもしれない。
    それでもなお、世界のために最善を尽くしなさい。


この逆説の十ヶ条はのちにマザー・テレサが感動し、「孤児の家」の壁にその言葉を書きとめたと言われています。

さて、どんな道であれ他人は歩いているし、そして自分も歩いています。
考えてみれば、他人の存在が一番自分を苦しめうる場合だってあります。

かといって完全に自分だけしか歩いていない、なんて場合はどうでしょうか。

街灯もないし人影もない。
スマートフォンのアンテナはまったく役に立っていない。

闇の中を手探りで歩こうとしても、足元を確認しながら進むためにその速度はひどく遅いものとなるでしょう。
他者が存在しないぶん楽でもあるし、まったく助けがないつらさがあります。

そう考えると歩いていく行為となんらかの苦労はセットであるともいえます。

それでもなお、歩き続けてみましょう。

十ヶ条を読むと、多くは自分のためではなく他人のための行動であることに気づきます。
なのに廃れずに語り継がれているのは、他人以上に自分が満足できる何かを得られるからに他なりません。

動機はどうであれ、行為が伴えばさしたる問題はありません。

歩く先々で自分ではない誰かを喜ばせていくことです。
人生にムダなことなど一つも無いと言われるように、あなたの行為や経験はどんなものであろうとムダではありません。

どんな道を歩むにせよ、人を喜ばせる気持ちさえ失わなければおのずと視界は開けていくでしょう。
それでもなお歩くのは、他人を喜ばせないと自分が前へと進めないことの裏返しなのかもしれません。

それでもなお歩こう。

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