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#784 / 2012.03.18

通過算

追い越しにかかる時間は、いったい何秒かかるでしょうか?

例えば片側2車線以上ある高速道路を走っていて、先行する時速80kmのクルマを時速100kmで追い越す場合、いったい何秒かかるでしょうか?

先行車をA、追い越すクルマをBと考え、AとBそれぞれの全長を5mと考えます。
また、追越開始と追越終了時はそれぞれ50mの車間距離をとるものとします。

詳しい計算式は追記で後述しますが、約20秒かかります。
しかしながら実際の高速道路上では、車間距離が50mもなかったり時速100km超で走るクルマも少なからずいますので、もっと短時間で追い越しが完了する場合がほとんどだと思います。

この計算は、相応の速度差があればわずかな時間で立ち位置が変わってしまうことを意味しています。

悲観的にとらえれば、追い越されるのはあっという間ということになります。
しかし楽観的にとらえれば、勢いがあれば追い越すのもあっという間、と考えられます。

追い越されるには理由があります。
そして追い越すにも理由はあるのです。

なかにはエンジンの調子が悪い、道路のコンディションが良くないといった外的要因を理由に挙げる人がいます。
本当にそうでしょうか?
どんな言い訳はあるにせよ、追い越せた、あるいは追い越された原因を自分のなかから探して改善する必要があるでしょう。
自分の希望的観測ばかり追いかけて真因から目を背けているようでは、未来永劫追い越され続けるのみです。

追い越され続けてもマイペースを貫く姿勢もありですが、そこに需要はありません。
なぜ人は、お金を払ってまで鈍行よりも特急や新幹線に乗るのかという話です。

内的要因を分析しよう。

追記(2012.03.18記)

先行車A(80km/h)、追越車B(100km/h)、ともに全長5m、車間距離50mと仮定したときの追い越しに要する時間について

この手の問題は、本当は動いているけれど追い越される側が止まっているものとして考える独特な方法で解きます。

まず、2車の速度差を求めます。

( 100(km/h) - 80(km/h) ) × 1,000 ÷ 3,600 = 5.56 (m/s) …(1)

毎秒5.56mの速さでBがAに近づいていることがわかります。
言い換えれば、停まっているAに毎秒5.56mでBが近づいているといえます。

次に、追越し開始から終了までにかかる距離を求めます。

Aの後方50mからAの前方50mまで走ります。
また追越す瞬間、2台が同時に横に並ぶので全長分を加えなければなりません。
さらに、Aと車間距離50mを確保するのですから、Bはさらに自車分だけ前に出なければいけません。
つまり、Aのフロントバンパーから追い越したBのテールランプまで50mの距離を開けることになります。

これらから追越しにかかる距離は、下記すべてを足した110mです。…(2)
 追越し前BとAの車間距離 50m
 追越し中のAの全長 5m
 Aと追越し後Bの車間距離 50m、そしてそのためにBが前に出なければいけないB車全長 5m

(1)と(2)より、時間=距離÷速さで求めます。

110(m) ÷ 5.56(m/s) = 19.78(s)

19.78秒。約20秒かかります。
速度差20km/hでこんなにかかるんだから、あっという間に抜き去るクルマはどれだけ速いんでしょうね。

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