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#779 / 2012.02.13

老いては子に従え

高齢化社会と呼ばれ久しいです。

日本国の総人口1億2,806万人のうち、高齢者(65歳以上)人口は2,958万人います。(平成22年10月1日現在)
総人口に占める高齢者の割合は23.1%で、日本の5人に1人以上が高齢者という現実です。(参考:平成23年版 高齢社会白書(概要版)

だんだん主流派になる高齢者に、国や制度はとても優しいです。

高齢運転者標識(高齢者マーク)表示は義務ではなく罰則のない努力義務です。
高齢に伴う免許返納に、強制力はありません。
いくら体が衰えようともゴールド免許でさえあれば、高齢者ではないドライバー同様に5年間有効です。
票を投じてくれやすい高齢者にずいぶんと甘い政策ばかりを実行する我が国は、いずれ高齢者とともに沈んでいくでしょう。

そして高齢運転者による交通事故件数は年々増え続けています。
高齢者の事故件数は平成22年で106,311件あり、10年前に比べ約35,000件増加しています。(参考:平成23年版 高齢社会白書(概要版)

近年起きている逆走事故を見ていると、ベテランドライバーが引き起こす事故件数には無視できないものがあります。
とくに2009年1月21日には4件もの逆走事故が発生し、うち3件は80代の運転手による事故でした。(もう1人は60代)(参考:Wikipedia

加齢に伴う動体視力の低下や垂直視野の狭窄は確かに仕方ないことですが、高齢者には次のような特徴も見受けられます。

  • 自分の運動能力や運転技量を過信する。
  • 反射神経の衰えや一方通行での逆走に気付かない。
  • アクセルとブレーキを踏み間違える危険行為をおかしがち。
  • 「私は大丈夫」などといって謙虚にアドバイスを聞き入れられない。

こうした、自分の状態が良く認識できていないままステアを握るドライバーが高齢者に多くいるという事実です。
すべての高齢者がどうだという決めつけはできませんが、高齢者の運転に対し目に余る思いをした人は多くいるのではないかと想像します。
少なくとも私はその一人です。
高齢者が未来ある若者を殺してしまっては遅いのです。

とはいえ、闇雲に高齢者から免許を剥奪してよいものではありません。
日本全国を見渡すと自動車がないと困る地域ばかりですから、地方在住の高齢者でも生活ができるようデマンド交通の整備やネット宅配の拡充が必要でしょう。
しかし同時に高齢運転者標識の義務化や、免許更新の厳格化はもちろん行なっていただきたいものです。

それだけでなく高齢者の方には、老いの自覚と運転免許返納の勇気を持っていただきたいのです。
こう書くと「高齢者いじめだ」と仰る方もいるでしょう。

しかし考えていただきたいのです。
あなた方の衰えが他人の時間や命までも奪いかねないのです。

遅い走行速度は渋滞を引き起こし、後続車両の時間を奪っていきます。
交差点で一時停止や左右の安全確認をせず運転し、歩行者の命が奪われた事故がどれだけあったでしょうか。

自動車という場合によっては凶器となる物を「うっかり」ミスで運転してしまわれては困るのです。
誰しもがいずれは老いるとはいえ、傍若無人に振る舞って良い理屈にはなりません。

高齢者の皆さんはもっと若人の規範となるような運転を見せつけて欲しいのです。
もちろん運転だけではありません。
仕事や生き方、そして考え方も常に私たちのような若輩者に教え諭せるよう振る舞っていただきたいのです。

それが叶わないのであれば、さっと後進に道を譲ってください。
「老いては子に従え」という言葉があります。
しがみつかずに潔く身を退くこともまた大事な生き方だと思うのですが、いかがでしょうか?

自分の状況を確認しよう。

追記(2012.02.13記)

私は年配者であろうと優しく提言しません。
優しく提言して現在の状況なのですから、はっきり言うことは1つの優しさでもあります。

あなたがたが受け取っている年金は私たちが払っているもので、私たちは払った額ほど将来年金はもらえない可能性が高いです。
なかには毎月300時間近く働きながら生活保護以下の賃金しか得ていない人もいます。
経済を回したくば若者ばかりに責任を押しつけるのではなく、高度経済成長期を生きてきたあなたがた高齢者が率先して経済活動を行なってくれなければ説得力は持たないでしょう。

若い頃は苦労したと反論される方もいるでしょうが、
何をするにも今より楽な時代を生きてきた人間が、今食べさせてもらっている苦労の多い後輩達に大口を叩けないのではないでしょうか?

こう書きましたがつまらない世代間の諍いを起こしたいわけではなく、今あらためてどの世代の負担も平等になるようにシステムを変えていかないと本当にこの国は高齢者とともに沈んでしまうのではないかと危惧しています。

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