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#765 / 2011.11.13

割り切れますか?

東日本大震災および福島第一原発事故から8ヶ月が経ちます。

被災地では被災車両を買い換えた方も多くいると思います。
買い替えには免税などの特例措置がありますが、その際に被災車両を永久抹消しなければいけません。
また震災による直接の被害がなくても、福島第一原発から半径20km圏内の警戒区域内にクルマを残したままならば同様に被災抹消ができます。
参考:東日本大震災で自動車が被害に遭われた方へ(国土交通省 総務省 財務省 国税庁 金融庁)[pdf]

しかし、やむを得ず登録抹消しなければいけないというのもつらいものです。
ローンを完済していない人や車両本体以外にアフターパーツなどで費用をかけてしまった方には、気の毒な話です。
クルマに限らず、住宅や機械など有形資産が使えなくなってしまった方にもつらい話です。

地域を知らない方の多くは、帰れないのだから割り切ってしまえといいます。

確かに、割り切らなければ前へも進めません。
しかし、他人事のように「割り切れ」と軽々しく言えるものでもないとも思います。

福島第一原発から数十km圏内にいて実際に避難された方からさまざまなお話を伺うと、ほとんどの方は帰れるのなら帰りたいとおっしゃいます。
かたや他県の方は、現場を見ずに福島県内全域がダメだと本気で思い込んでいます。
福島県域は東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県の総面積よりもさらに広いにも関わらずに、です。

証券の損切り発想と同じ考えでいる人が多いのではないでしょうか?
その地域で何十年も助け合い、あるいは支え合いしてきた歴史やコミュニティは易々と切れないものです。
農地とて長年の土壌改良を経て開発したもので、移動先に農地があればいいというものでもありません。
今年よく使われた「絆」という言葉は、地域内においては偽善募金番組のような薄っぺらい概念とはおよそ異なるものです。

今回の震災と原発事故は、壮大な人間性テストだと思うのです。
政府の愚かな指示を無視してでも死ぬ覚悟で事態収拾に努めている福島第一原発の所長もいれば、
一方で、安全圏にいて現場を調べもせず軽々しく発言する人々もたくさんいました。
福島県内にいる身としては、人間性とは何かを考えさせられる現在進行形の出来事です。

どれだけ現場で実態がつかめているか。
また、どれだけ自分のこととして受け止められる器量があるかが人間として大事なことだと思います。

普段かっこいい言葉を吐いていても、非常時に逃げたり他人になすりつけるような人は論外です。
かっこいいとかかっこ悪い以前に、そもそも褒められないような人格の持ち主では、他人の理解を得るのは相当難しいでしょう。

これからも地球のどこかで災害は突然やってきます。
そうしたときにあなたの人間性がさらけ出されます。

それでもなお、あなたに人が寄ってくるでしょうか。
それとも、あなたから人が去って行くでしょうか。

他人とは、本当のあなたを意外とみているものです。

現場を見てから発言しよう。

追記(2011.11.13記)

避難者のことを考えると、やみくもに「頑張ろう」とも「負けないで」とも言えません。
ただ、前へ進むためのヒントぐらいならば出せるかも、という気持ちでいます。

原発から避難した方から聞くと、
仮設住宅もしくは借上住宅の駐車場スペースの都合上、持ち出せる車両が1台しかないようです。
当然、農作業用の軽トラなどは置いてこざるを得ないといいます。

それから某大学の武田某氏。
東京都世田谷区内で高線量地域が発見されたとき「福島から飛んできた可能性が高い」とブログに書いたといいます。
その後、高線量の原因は床下のラジウムと判明した途端、ブログを書き換えてしまったといいます。
この方は人一倍騒ぎ立てるのに、原発との関連性がないと分かると注釈もなく修正・改竄してしまう傾向にあるようです。
所詮、その程度のようですね。
メディアの露出度が高いから素晴らしいなんてのは大間違いもいいところです。

まだ今年は終わっていませんが、いろいろなウソや偽善がはがれ落ち、人間性とはなにかをあらためて考えさせられた年であるような気がします。

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