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#760 / 2011.10.10

ロータリーエンジン

2011年10月7日、マツダは現行市販車で世界唯一ロータリーエンジン(以下RE)を搭載するRX-8の生産を終了すると発表しました。

REがどんなものか私もよくわかっていなかったので、あらためて簡単に調べてみました。

通常のエンジンはレシプロエンジンと呼ばれ、シリンダ(筒)の中をピストンが上下運動して出力します。
この上下運動を回転運動に換えるのですが、REはそもそも回転運動のみで機械損失が少ないことが特徴です。
構成部品も少なく動弁系を持たないだけでなく、同排気量のレシプロエンジンに比べ燃焼回数が倍であることから高出力です。
参考:埼玉マツダ(ロータリーエンジンとは)

自動車税でも特殊です。
RE搭載車は排気量区分上、「単室容積×ローター数×1.5」として換算されます。
現行型のRE(13B-MSP型:水冷式直列2ローター)は、654cc×2=1,308ccですが、自動車税制上は 1,308×1.5=1,962cc となります。

そんなREを搭載する唯一の量販車RX-8の終了時期は、2012年6月。
とはいえ、車両の生産は終了するもののREの研究開発は今後も継続するようです。
しかしながら昨今の低燃費需要はまだまだ続くでしょうから、高出力と低燃費の両立が復活の鍵になるでしょう。

世界は低燃費指向に向かっています。
トヨタ・ホンダのハイブリッド車はもちろん、日産・三菱の電気自動車が話題になって久しいです。
海外も例外ではなく、従来1.8L/2.0LクラスのVWパサートを新型では1.4Lターボにダウンサイジングして18.4km/Lの燃料消費率(10・15モード走行 国土交通省審査値)を実現しました。

求められる出力が出せるだけではダメで、どれだけ低燃費なのかも同時に求められる時代になったのです。

価値軸が変化する時代には、決断をしなければいけなくなります。

一つは新しい価値観に合わせて一気に乗り換えること。
もう一つは、潜みながらブラッシュアップし虎視眈々と狙うこと。

どちらも戦略です。
5年後、10年後を想像したとき、どちらの戦略が自分にとって有利にはたらくかを見据えながら決断すべきでしょう。

ただし、過去にとらわれず退くことも決断の1つです。

マツダ自身は、10A型REを搭載したコスモスポーツから44年の歴史とプライドがあるでしょうから、今後もロータリーにこだわるはずです。
それゆえにマツダ経営陣は、水面下でこだわり続けるか将来的に完全撤退するかの大英断をいずれしなければならないでしょう。

あなた自身はどうでしょうか?
生きている限り死ぬまでまったく価値観が変わらないなんてことはなく、価値観の転換期には都度、決断を迫られます。

「進むも勇気、退くも勇気」とはよく言ったものです。
どちらが正しいかなんてことは、よくわかりません。
それまでの経緯とその時点での状況次第でどうにでも変わるでしょう。

ただし、決断というくらいですから思いつきでやってしまってはいけません。

過去をやめるのなら、その過去がどれだけの功績をもたらしたか。
新しい未来を進むのなら、その未来がどれだけの功績をもたらすのか。

それをきっちり分析しないで決断すれば、悲劇しか生みません。
決断は安易にせず、きっちり過去と未来を分析したうえで進めたほうが良い結果を生むでしょう。

思いつきで決断してもいいのは、自分一人しか関与しない場合くらいのものです。
関与する人間が複数人存在する場合は、思いつきで周囲を振り回してはいけません。

真剣に決断しよう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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