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#751 / 2011.08.07

物質依存からの脱却

私は縁あって、週刊モーニングで「新白河原人」を連載されている漫画家・守村大(しん)さんにお話を伺ったことが何度かあります。

守村さんは、10年近くかけ北海道から鹿児島県まで移住先を探し歩き、新幹線駅からクルマで10分程度の山林を切り拓きログハウスやサウナハウスを自力で建てた方です。
なぜ都会を離れたかの問いに、守村さんはこう答えてくださいました。
「バブルがはじけたときに世界の価値観が変わりました。我々はお金以外の幸せを別のかたちで探す必要が生まれたんです。」

私自身、バブル期は小学生でしかも就職氷河期に社会に出たこともあって物欲はほとんどありません。
たくさん稼いでたくさん消費、いいクルマにお金を持つという「豊かさ」は、本当の豊かではないのではないか、という考えが私と考え方が似ていてとても共感します。

いい会社に就職して、いいクルマに乗って、いい家庭を築いて……。
これは20世紀後半の価値観でした。
でも、現在はどうでしょう。

原発事故への対策を怠ってきた電力会社や、隣国ばかりに肩入れするテレビに強大なお金と権力が集まる構造。
低燃費というだけで無駄に図体のでかいハイブリッドカーが何ヶ月も月販1位を飾るご時世。
教育機関に対し理にかなっていないクレームを入れたり、ペット感覚で子供に名付けてしまうような家庭も多いと聞きます。

何をもって「いい会社」か、
何をもって「いいクルマ」か、
何をもって「いい家庭」かを、一人ひとりが答えを探さなければいけないのではないでしょうか?

ここはクルマについて考えるサイトですから、「いいクルマ」について考えてみます。
先に私の考えから言ってしまうと、「いいクルマなんて人それぞれ」です。

その人がどういう人かでいいクルマの基準が変わる、ということです。

家族全員で乗るのなら2ドアクーペは不向きですが、かといって人数以上が乗れる大型ミニバンである必要もないでしょう。
低燃費車がいいからハイブリッドカーをと考えている人は、燃費だけでなくトータルの維持費を考えて小型車を検討してみることも一つです。
高級車が欲しい人は1,000万円超もする高級車ではなく、上質感や高級感のある雰囲気だけの高級「風」乗用車でいいのかもしれません。

どういう生活をしたいのかをしっかり自分の中で定義できていないと、世間やメディアに流されるままに評判の良いクルマを選んだだけと言うことになりかねません。
悪く言えば、消費経済にうまく飼い慣らされた一人のまま終わるということです。

クルマだけでなくてあらゆる価値観が、数年前では考えられない方向に向かって行っているような気がします。
結婚観、ビジネス、勉強、メディア、下手すれば通貨すらも大きな転換を迎えていくかもしれません。

この変化を怖いと感じるか楽しいと感じるかです。
物があればあるほど身動きが取りにくくて怖いかもしれませんが、自分なりのぶれない価値軸があればその価値軸に沿って変化を受け入れていくだけですから楽しいかもしれません。

ブームや雰囲気だけで闇雲に物を増やそうとするのではなく、自分の価値観に合うか、また本当に今の自分に必要な物なのかを吟味して、たまには物を増やさない選択をとっていくことも大事なのではないでしょうか?

物質依存を見直そう。

追記(2011.08.07記)

人間が作った物質で人間自身が縛られたんじゃ、本末転倒だね。

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