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#744 / 2011.06.19

渋滞吸収

渋滞をゼロにすることは難しいですが、渋滞を減らす努力をすることはできます。

渋滞学でも知られる東京大学の西成活裕教授によれば、個人の運転方法を少し変えるだけで渋滞が吸収・緩和されるといいます。
その運転方法とは、できるだけ一定の速度を保ちつつ安全な車間距離をとる走行を心がけることです。

2年前の2009年3月15日。
JAF、警察、および西成教授によって、この渋滞吸収理論を実践する社会実験が行なわれました。(参考:JAF Channel

実践された渋滞吸収走行の特徴は、以下のとおりでした。

  • 渋滞に入る前から十分な車間距離を確保し、渋滞に備えること。
  • 少し速度を抑え、渋滞区間への到達を遅らせるようにすること。
  • 割り込まれても車間距離を確保し直すこと。
  • 下り坂で不用意に加速しないよう、一定速度で進むこと。
  • スピードメーターや周囲の注意看板などに気を配り、不用意な減速を抑えること。

これにより、渋滞時の平均速度が約1割上昇したと報告されています。

安全な車間距離をとれば追突事故も減り、停止しなければゼロからの加速もなくなり燃費向上に寄与することが分かりました。
つまり、渋滞を緩和し事故を防ぐだけでなく、地球環境にも配慮できるようになるというわけです。

しっかり間隔を開けることは、人間関係でも有益なことです。

ショーペンハウアーの寓話からくる「ヤマアラシのジレンマ」よろしく、近すぎては互いに干渉しあうものです。
ある程度の間隔を開けてこそ、自分にも相手にも有益にはたらきやすくなる。
運転だけでなく、仕事や生活、あるいはすべてのタイミングなどあらゆることに応用できる考え方かもしれません。

余裕をもって間隔をあけることであらゆる物事が好転するのなら、やらない手はありません。
あなたもさっそく、間隔を開けてみませんか?

意図的に間隔を開けよう。

追記(2011.06.19記)

件の社会実験では、

  • 低速であっても、一定の流れを維持することが渋滞吸収につながる。
  • 頻繁な車線変更は周囲の流れを変えてしまい、後続車の渋滞を増長しかねない。
ことも示唆されています。
車間距離は心の余裕、とも言えそうです。

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