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#736 / 2011.04.23

ナンバー差別

福島県民は、宿泊拒否。
福島県民は、給油拒否。
福島県民は、診療拒否。
そして、「福島県民お断り」の貼り紙。

福島出身と言うだけで、婚約が破棄された事例がありました。
福島県から千葉県船橋市に避難した子どもは、「放射線がうつる」などと言われいじめられました。
いわきナンバーのトラックドライバーは、わざわざ埼玉で関東ナンバーのトラックに積み替えないと積み荷を引き受けてもらえないと訴えました。
駐車場に停めていた会津ナンバーの車両には、誰かから「帰れ、来るな」と落書きをされました。
東電管轄エリア内にある茨城県つくば市は、福島県からの転入希望者にスクリーニング検査受診証明書の提出を求めました。
同じく神奈川県川崎市では、「放射線に汚染されたゴミが運ばれる」と騒動になりました。

挙げ句の果てには、首相みずから「日本は、ある部分を除いては安心」などとほざく始末です。

バカですか?

放射線により福島県民がバタバタ倒れている、とでも本気で思っているのではないですか?
あるいは、放射線を何か強烈な感染病とでも勘違いしているのではないでしょうか?

福島では原発周辺の警戒区域を除き、普通に人々の生活を営み始めています。
放射線が怖くて家で引きこもっているということはありません。

一連の原発問題で、よくわかりました。
いくら優れた情報機器を使いこなしていても、ネットやマスコミの垂れ流し情報を鵜呑みにするだけの情報弱者がたくさん存在することを。

考えてもみてください。

放射能がうつるなんて誰が言ったのでしょう?
広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授は、「避難住民から放射能がうつる心配は無い」と明言しています。
仮に奇病や伝染病のたぐいであれば、すでに避難民を受け入れた関東各所で病気が発生していてもおかしくないはずです。

岩手や宮城から関東・関西方面への輸送トラックは、わざわざ日本海沿岸部を通らない限り、間違いなく福島県内を通過しています。
なのにそれらはスルーで、福島やいわき、そして会津ナンバーばかりを差別対象にしているのです。
明らかに、変ではありませんか?

原発の見返りに様々な恩恵を享受していただろう、という人間もいます。
福島には現在59市町村ありますが、原発による電源三法交付金の恩恵にあずかっているのは沿岸部の4町(双葉町・大熊町・富岡町・楢葉町)しかないのではないでしょうか。
4町の地域活性化には寄与したのでしょうが、他市町村への恩恵度合いは少ないのです。
それをすべて一括りのような見方をするのは、視野狭窄と言わざるを得ません。
さらにその発言が関東在住者からだとしたら、それこそ一番の恩恵を受ける者は電気を享受する関東在住者なのですから、まさにバカとしか言いようがありません。

原発誘致についても、県民投票を行なって受け入れた経緯など無いのです。
そもそも自分たちに電気を供給しない電力会社の原発を誘致しても、メリットの少ない県民が圧倒的なのですから。

なお、いまだに誤解をしている人間がいるので、あらためて書いておきます。
福島第一・第二原発で発電された電気は、福島県内へ供給されることなく関東方面へとすべて供給されています。

写真は、福島県塙町にある高圧電線です。
高圧電線を写真奥にたどっていくと、今、世界で一番注目されている福島第一・第二原発へとつながります。
そしてそれは、栃木県日光市内の発電所や新茂木変電所、さらには首都圏方面へとつながっています。
同様の高圧電線は他に3本あり、合計4本の電線が福島県内を走っています。
福島以外にも、新潟県・柏崎刈羽原発、福井県・美浜原発、同・大飯原発、そして同・高浜原発も、他地域のためにある原発です。

福島がダメになれば関東への電力供給のみならず、PC等の半導体製品や果物等の供給はストップします。
そういった地域間のつながりすらも見えていないまま高みから考えを巡らすことは、結局のところ何も見えていないことと等しいです。

根拠無き思い込みが重大な事故につながることと、まったく等しいのです。
無知は罪です。

根拠無き思い込みを捨てよう。

追記(2011.04.23記)

放射能による言われ無き風評被害を聞くたび、本当に悲しくなる。
日本人はモラルと礼節ある民族じゃなかったのかよ……。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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