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#726 / 2011.02.20

すれ違い

公私関係なく道を走り続けていると、道路状況やすれ違う車などもさまざまです。
追い越し禁止の2車線区間でうんざりさせられながらも、かたや片側6車線なんて道では落ち着かなかったりと、私自身、まだまだ周囲の状況に惑わされてしまうことが多いです。

まったくクルマがいない道ならばどんなにスムーズに行けることかといつも思います。
渋滞ばかりでいつもクルマの多さにうんざりという経験は、誰にもあることだと思います。

とはいえ、「本当」にまったくクルマがいないというのも、心細くなるものです。

対向車とすれ違えるならまだよくて、すれ違うにも相手がいない。
30km以上走ってきたのに、対向車が片手で数えられてしまうくらいしかいない。
道中に集落らしい集落もなく携帯電話の電波も届かない地域が続き、ガス欠で動けなくなったときの救援依頼がまったく期待できない。

山間部の路線であれば、上記の事柄が珍しくありません。
「ガソリンスタンド過疎地」なる言葉も現れて、地区内にあるガソリンスタンドが3つ以下の自治体が全国で222あるといいます。(2008年時点)
NHKのクローズアップ現代では北海道十勝地方を走る国道273号線を取上げ、ガソリンスタンドが120kmもない区間があると報じていました。
その地区の住民達は、給油に往復100kmかけるのだといいます。

こんなデータがあります。
都道府県別保有自動車数(国土交通省 情報政策本部 情報安全・調査課 交通統計室)より平成21年の登録車と軽自動車のデータを抽出し、さらに各都道府県ごとの人口と面積から、人口100人あたりの保有台数と面積1km2あたりの自動車台数を求めました。

表726 自動車台数に見る各都道府県の人口比・面積比
都道府県名登録車
(万台)
軽自動車
(万台)
合計
(万台)
人口
(万人)
人口比台数
(100人あたり)
面積
(100km2)
面積比台数
(1km2あたり)
北海道1991063055545583537
青森434285139619688
岩手4342861356315356
宮城81561372345973189
秋田3735721116511662
山形423981119689387
福島766213820567138100
茨城133802132967261349
栃木91531442017264225
群馬90621522017664239
埼玉2301143447114838905
千葉2021003036124952587
東京2771013781,28429221,726
神奈川2509734789239241,435
山梨343165877445145
新潟817715823966126125
富山4433771107042182
石川4532771176642184
長野838116421776136121
福井312657817042136
岐阜836114521069106136
静岡1391072463806578316
愛知2881464347405952841
三重71601301886958226
滋賀4741871406240218
京都69491182634546255
大阪20511632188136191,692
奈良4232741405337201
和歌山2937671016647141
兵庫1581052635594784313
鳥取182341606835117
島根22274972686773
岡山65671321956871186
広島86771632875785192
山口4747951466561155
徳島262854796941131
香川3334671006719358
愛媛4048891446257156
高知21295077647170
福岡1591222815055650564
佐賀263157866724235
長崎3548831445741202
熊本57591161826474156
大分3941801206663126
宮崎3645811147177105
鹿児島51651161726792126
沖縄3552871386323383
日本全国4,0422,8656,90712,768543,779183
※登録車は普通乗用車と小型乗用車の合計台数
※自動車台数は平成22年3月31日現在、人口および面積は平成22年3月8日公表

面積比台数を見ると、北海道や東北地方に100以下の数値が並んでいます。
これが小さい数字であるほど、単位面積当たりの自動車が少ないということです。
北海道に関して言えば1km2の中に37台で、東京の1/46しか混雑していないということです。
(ちなみに都道府県面積の広さベスト10のうち北海道・東北地方の6道県がランクインしています)

もちろんこれらの県でも、都市部では当たり前にすれ違えます。
しかし山間部では、すれ違うことすら貴重な縁とも思えてくるのです。

先日、山間部に移住した方からお話しを聞く機会がありました。
たとえクルマ同士であっても、地域内の人達がすれ違うたびに挨拶をするのだそうです。

かつての農村では茅葺屋根の修繕や農作業などで集落総出で作業することが多く、密な連携が大事だったといわれています。
その考えは現代でも息づいていて、だから挨拶は欠かせないのだと聞きました。

いざというときこそ、地域内に住む人間があなたに影響を与えます。
もし、あなたが地域内に住む人間に親切にしていれば、困ったときには手を差し伸べてくれるでしょう。
しかしもし、あなたが地域内で傍若無人に振舞っていたら、きっとあなたは同じ地域内でも冷遇されるでしょう。

人口の多い都市部では、ともすればお隣さんへの挨拶意識すら希薄になりがちです。
昔から「袖摺りあうも他生の縁」といいます。
明日でもいいから、すれ違ったら挨拶してみませんか?

挨拶してすれ違おう。

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