トップ > コラム > コラム No.714
 
トップ > コラム > コラム No.714

#714 / 2010.11.29

速度表示灯

かつて、大型貨物車には速度表示灯が義務付けられていました。

速度表示灯とは、トラックの正面上部につけられた3つの緑色のランプのことです。
そのトラックの速度に応じて、以下のように点灯するというものです。

  •  停車時
  •  40km/h以下
  •  40km/h超
  •  60km/h超

なぜこの制度ができたのでしょうか?
これは推測ですが、「大型貨物だから危険」というステレオタイプから生み出されたのだろうと思います。

速度表示灯が制定された昭和42年当時、国産車のスペックは今とは比べ物にならないほど低いものでした。
同年に発売されたダットサン・ブルーバード(510型)は1.3〜1.8リッターエンジン搭載ながら、最大出力が72(L13型エンジン)〜110(L18型エンジン)馬力、ボディサイズも現在のコンパクトカーよりも小ぶりなものでした。

国産車の多くは、小さいエンジン出力に小さいボディ。
そういう時代だったから、より大型貨物車が危険だと思われていたのではないでしょうか。

しかし時代は変わり、大衆車ですら思いのままに走らせることができるようになりました。
すると一般車両も危険な存在になってきたのです。

その道路の平均車速より2割以上速すぎ、または遅すぎるクルマがいたり、チョロチョロと隙間を縫うように走るクルマも現れるようになりました。
もちろんトラックとて危険な運転をする人はいますが、大多数のプロのトラックドライバーが運転する大型貨物より、意のままに走る一般車両のほうがより危険を感じる存在だったりするのです。

単に「大型貨物は危険」だから速度表示灯をつけさせろ、だとしたら制度としてどうなのでしょうか?

結局、大型貨物車への速度表示灯制度は1999(平成11)年の法改正で廃止されました。
もっとも欧米のトラックメーカーからの反発や、そもそも表示の意味がわかりにくいことが主な廃止理由だったようです。
しかし私は、トラックだけが悪者かのようなステレオタイプが誤解だったと認識され始めたから廃止されたようにも思います。

こうした偏った見方は、クルマだけではありません。
社会にもたくさんあります。

男だからこうだとか、女だからこうだなんてのは最たるものでしょう。
そのほかにも女・老人・子供だからすぐに弱者と連想してみたりなどと、考えてみればキリがないです。

年寄りだからといって温厚とは限らず、すぐ感情的になる人はたくさんいます。
また若くして老成した考えを持つ人もたくさんいます。

そのほかにも性別、年齢、血液型、出身地、言葉、肌の色など。
確かに、これら一つひとつの属性である程度の傾向は割り出せるとは思います。
しかし、あくまでも傾向であって絶対ではないのです。

身近な人に対して、あなたはこうだと決め付けてしまってはいませんか?
また、会ったこともない人に対して、この人はこうなんだと決め付けてしまってはいませんか?

つまらないカテゴライズに捉われていると、誤った見方のためにトラブルが起こるでしょう。
一度すべての相手に対して、もう一度、純粋な視点で見てみませんか?

レッテルを貼るのはやめよう。

サイト内リンク