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#687 / 2010.05.24

10年の重み

先日、自動車重量税を調べていたときに、最近の新車カタログから車両重量の欄を眺めていました。

  • レクサスLS460(USF40) 1,940kg
  • 日産GT-R(R35) 1,740kg
  • ホンダシビック(FD2) 1,260kg
  • マツダRX-8(SE3P) 1,360kg
  • 三菱ランサー(CZ4A) 1,530kg
  • スバルインプレッサ(GRB) 1,480kg

翻って、このサイトを始めた10年前、2000年時点に新車販売されていた同ポジションにある車種のそれを眺めてみました。

  • トヨタセルシオ(UCF20) 1,740kg <現行比 -200kg>
  • 日産スカイラインGT-R(BNR34) 1,540kg <現行比 -200kg>
  • ホンダシビック(EK9) 1,070kg <現行比 -190kg>
  • マツダRX-7(FD3S) 1,240kg <現行比 -120kg>
  • 三菱ランサー(CP9A) 1,360kg <現行比 -170kg>
  • スバルインプレッサ(GC8) 1,260kg <現行比 -220kg>

のきなみ重くなった、というのが正直な感想です。

ここ10年でいずれも後継車種へと変わりました。
またシビックとインプレッサは、同一名称ながらもボディ形状が変わり、シビックはセダンへ、インプレッサはハッチバックへと変化しました。

デザインの良し悪しは別としても、10年前に比べどんどん重くなっていることがわかります。
シビックやインプレッサは外観上も大きくなったから、スペックを見ずとも重くなったことが容易に想像できます。

私が自動車に興味を持ち始めたころシビックは、スポーツシビックと呼ばれるEG型でした。
大学の研究室仲間が乗っていて、シャープでかっこいい小型ハッチバックと認識していました。

それが脳裏にあるからか、今のシビックは凡庸な3ナンバー車にしか見えないのです。
インプレッサも同様で、小型車の枠をはみ出てしまってからは何か寂しさすら感じてしまいます。

あの軽快だったクルマたちはどこにいったのでしょうか。

確かにいいエンジンを積んでいるから速いことは間違いないのだ、とは思います。
もちろん、衝突安全対応やらエンジン性能向上もあっての結果ですから、何ともいえません。
そもそも同一車種を乗り継ぐ人のため、代を重ねるごとに大きく豪華にさせざるを得ないメーカーの事情もあるのでしょう。

既存客にあわせて大きくしていけばいくほど、ユーザーとともに老化するだけではないかと思うのです。
かつての日産サニーしかり、今のシビックしかり、本来ターゲットとする若い層はそれらに見向きもせず軽やコンパクトクラスに乗っています。
クルマにお金を掛けられないのが主な要因ですが、ブランド自体が老化してしまっていることも重要な要因のひとつでしょう。

既存客を大切にすることは大事です。
しかし、そればかりでは新規顧客は増えなくなります。

大きかったり豪華なクルマを求めている人のために別の商品がラインナップされているのです。
それなのに本来の自分の立ち位置以上を目指しすぎてあれもこれもと手を出すから、没個性的に肥大化するのです。

八方美人を辞めることです。
さまざまな意見を聞けば聞くほど、本来の自分とは矛盾する方向に変えられそうになります。

すべての人間に対して一切波風立てずに生きていける、なんていうのはまったくの幻想です。
自分の立ち位置を明確に意識して行動すれば、軸がブレたまま無為に老いていくこともありません。

立ち位置を明確にしよう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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