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#672 / 2010.02.15

リコール・ターニングポイント

結果で取り繕えばいいとか、内部構造なんて見えないだろうとか、そうした「いいだろう」の発想は結果として自分を苦しめます。

最近問題になっているトヨタの大規模リコール問題。
まさか技術者立国・日本を代表する大企業がといった驚きの声と、下請け部品メーカーを締め付けてきたツケといった当然視の声が聞こえてきます。

今回問題になっているのはアクセルペダルの不具合で、実は2007年には米国のユーザーから「アクセルペダルが戻りにくくなる」と苦情を受けていました。
以降、トヨタは同様の苦情に対しても「安全性に問題はない」と主張し、リコールなどの対応は取っていませんでした。

リコールは、ある意味仕方のないことかもしれません。
自動車は神様でなく人間によって造られるものですから、どんなに気を配ったとしても何かしら不完全な部分が出るでしょう。

とはいえ、最初の苦情から3年近くも踏み込んだ対応をしてこなかったツケは大きく、米国を中心に過剰なトヨタバッシングが起きました。
その証拠に2010年1月のトヨタ新車販売台数(米市場)は、前年同月比15.8%減の98,796台でした。
国内では同月120,343台と前年同月比46%増(日本自動車販売協会連合会、自販連)でしたが、今月5日に豊田章男社長が謝罪会見したことを国内メディアが一斉に非難したので、今月度の新車販売台数に影響があるのは必至でしょう。

こうした一連の動きを見ていると、最後で帳尻をあわせればいいと言う発想ではダメなのだと改めて感じさせられます。
部品ひとつにしろ顧客対応ひとつにしろ、根幹となる基礎がしっかりしていなければ必ず代償を払わなければいけなくなる時が来ます。

基礎が無いものは、早晩中に立ち行かなくなるでしょう。
中国製品のようなものは言わずもがななのですが、もっとひどいのが日本国内の学生です。

先日、東京渋谷にある某大学の教授の方とお話しする機会があったのですが、できる子とできない子の差が激しすぎるのだそうです。
できる子はいいのですが、できない子は考える力そのものが欠如しているのだそうです。
レポート提出を求めてもどこかのサイトの丸写しで、しかも小細工するでもなくフォントサイズがまちまちだとか、「です・ます調」「だ・である調」が混在しているとか、論文の根拠も何も無く本当に「提出しただけ」でもう悲惨だとおっしゃっていました。

でも、大学の偏差値は以前から変わっていないのです。
ゆとり教育の影響で学生全体の質が下がっているから、本当に言われたことしかやらない「お子様」ばかりになったと嘆いていました。
私はそれを聞いて笑っていたのですが、教授からこう釘を刺されてしまいました。

「まさひろさん、あと2年後には小一から純粋なゆとり教育で育った子が社会に大量に放たれますよ

もちろん学生の一部でしかないのは確かなのですが、少なくとも全体の2割、下手したら3割以上はそうした基礎の無い学生たちだと教授は困った顔でおっしゃっていました。

基礎が無いから、行き詰る。
でも、だからといってこれからもダメ、でもないのです。

まずかったことを、素直に反省してみることです。
基礎をまだ身につけていなければ、今からでも基礎を身につければいいのです。

あなたがまずかったと気づいたときは、なんでもそうだと思うのです。
改めることは時間がかかるかもしれません。
しかし失敗をしない人間はいないのですから、今回を機に更なる飛躍をすると考えてみてはどうでしょうか。

つまり、今がターニングポイントだという考え方です。
今がどん底と考えて、良くするために考えや行動を一つずつ改めていけばいいのです。

ここで意固地になって今のまま行くか、それとも改心して良くしていくか。
簡単な二択です。

あなたは、どちらを選びますか?

失敗をターニングポイントと考えよう。

追記(2010.02.15記)

基礎を蔑ろにして他人の作った完成品をマネしてみても、自分の魂がこもっていないからあっという間に崩壊します。
自分が教える側に立ったときに恥をかくのは、結局あなた自身なのです。

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