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#669 / 2010.01.25

インチアップ

インチアップとは、タイヤ外周の大きさを変えずにホイールの大きさを大きくすることです。
これをするとホイール部分に空間が生まれ、より大きいブレーキを搭載することができます。

最近ではホイールを大きく見せることができることから、足回りのドレスアップ効果として採用しているドライバーも多くいます。

他に、ステア操作に対してのレスポンスがキビキビとするメリットもあります。
しかし、デメリットも無いわけではありません。

よく言われるデメリットは、ゴツゴツ感が増すと言うこと。
これはタイヤの偏平率が下がる、つまりタイヤが薄くなりタイヤの衝撃吸収量が減ることによります。

また、ホイールが重量増となります。
鉄より軽いアルミニウムを素材とするケースが多いですが、鉄と同じ強度を出すために多くのアルミニウムを使用するので、結果、バネ下荷重が増えてしまいます。
レーシングカーならば高価な軽量ホイールを使用しますが、一般向けの場合、ホイールは重量増となるケースが多いです。

わざわざお金をかけても、メリットよりデメリットが目立つインチアップ。
それでも行なうのは、ほとんどの場合、大径ブレーキ装着かドレスアップのためです。

ここで少し考えてみます。
大径ブレーキ装着のためなら、今より制動面を重視したいということ。
またドレスアップ目的であれば、地味な鉄ホイールより大きくて見栄えするデザインを重視するということです。

まとめると、バネ下荷重増加と引き換えに制動能力やデザインを重視するということです。
これは現状より落としても良い所と引き換えに、重視したいところを伸ばすことと一緒です。
こう考えると、インチアップは「再調整」であると言えそうです。

ところがインチアップをすると、タイヤのサイズ自体も大きくできるような錯覚がします。
たかがサイズの再調整でしかないのに、「アップ」という響きで錯覚してしまいます。

タイヤだけでなく、実は人生のイベントもほとんどが「再調整」なのに多くの人が勘違いしていることがあります。

例えば、結婚、出産、進学、就職、出世。
それら自体はおめでたいイベントです。
かといって、それで人間の器が大きくなるとは限らないのです。

言ってみれば、大事なものの優先度が代わるのです。

今、あなたが未婚の大学生だったとします。
今のあなたにとって優先すべきは、自分の時間やお金かもしれません。

ところが結婚すると、これが配偶者に代わります。
もし子供が生まれたりしたら、子供に代わるでしょう。
就職をすれば、社会人としての責任に代わるでしょうし、出世だったら部下の面倒やともすれば会社の経営が大事になるでしょう。

一つ一つのイベントでどんどん大事なことの優先順位が代わっていくのです。
いってみれば、人間の器が深くなるのであって、器が大きくなるわけではないのです。

あくまでも、自分の中でどの尺度を優先するかの基準を変えるだけです。
あなたは自分の中の優先順位を、ちゃんと把握していますか?

大事なものに優先順位をつけよう。

追記(2010.01.25記)

インチアップの参考用に簡単なシミュレーションシートを作ってみました。
詳しくは、インチアップシミュレートをご覧ください。
なお、インチアップをする場合は、ディーラーや専門ショップ等にお問い合わせください。

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