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#642 / 2009.07.13

忘却曲線

人は忘れる生き物です。

ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは、人間の記憶が時間経過とともにどう忘却するかを研究しました。

表642 エビングハウスの忘却曲線
学習時点からの経過時間(h)記憶率忘却率
0分後 0.0 100% 0%
20分後 0.3 58% 42%
1時間後 1.0 44% 56%
9時間後 9.0 36% 64%
1日後 24.0 26% 74%
1週間後 168.0 23% 77%
1ヶ月後 720.0 21% 79%

これを図示すると、有名な「エビングハウスの忘却曲線」となります。
とはいえ、実験はつづりに意味を持たないアルファベット3文字を記憶することだったそうなので絶対の法則とは言い切れませんが、人は1時間後にはもはや忘れている可能性が高いことはわかります。
ただ、繰り返し覚えなおし続ければ同じ経過時間後でも忘却率を下げることができるとも言われており、こまめに復習することで確実に脳裏に刻むことができるようです。

忘れることができる生き物で、結局、いいのです。

当たり前ですが、人間の記憶力には限界があります。
これはよく解釈すれば、人間は忘れることができる生き物であるということです。

私は、適度に忘れることも重要なスキルだと思うのです。
例えば事故に遭遇したとき、あるいはパーキングエリアのトイレに貼ってある事故の写真でもいいです。
当事者であっても無くても、これは悲惨だと強く感じるでしょう。

この悲惨さの感じ方も程度問題です。

こわいのは、あまりに悲惨すぎてもう運転したくないとか、だからクルマは危険なんだと、極端に拒む方向へいってしまう場合です。
事故直後は、ショッキングです。
当事者であれば、なおさらです。

もし人間に忘却する能力が無かったら、この人は記憶に一生引きずられてしまうのです。
忘れないということは嫌な記憶までも強烈に残り続けるということですから、トラウマばかり抱えてしまう人生になるでしょう。

何かするたび、いちいち過去の記憶が甦って「嫌だ!」と脊髄反射してしまう。
忘れることができない人生というのは、かなり残酷なものです。

忘れることを恨めしく感じる人は、私も含めてたくさんいます。
ですが、忘れることで過去に引きずられず、今を笑顔で乗り切れることも、私達は忘れてはいけないと思うのです。

スペックの限界を好意的に受け入れよう。

追記(2009.07.13記)

ツイていない日はとりあえず、一晩寝るに限りますな。

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