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#593 / 2008.08.03

実利視点のモノ選び2

実利だけを求めていくと、そっけなくなる志向に行くだろうという人もいます。
今ではシンプルやエコなんてうまい表現もありますが、確かに外観がそっけなくなるものも多いです。

でもそれは、あくまでも外装の話です。
機能美という言葉があるように、無駄を削ぎ落とした状態であっても美しいものです。

そもそも外観で優劣をつけても、あまり意味はありません。

工業製品ならば天板を替えてしまえばいいだけの話ですし、人間ならば化粧や衣服等で変身することができます。
そうなると結局、中身が重要だという論理になります。
外観の優劣は意味がないと書いたのは、そのためです。

ただ人間である以上、視覚情報が印象の大半を占めてしまうのも事実です。
女性は嗅覚、触覚、そして味覚も考慮するようですが、男性は情報の9割を視覚と聴覚に頼るという話もあるくらいですから、外観さえ変えれば意外とわからないものでもあります。

例えばポルシェ・カイエンVW・トゥアレグという2台のクルマがありますが、ブランドの違いこそあれ基本設計は同じクルマです。
しかし顔も違えば価格も異なります。
同じV6エンジン仕様で比較しても、カイエンの692万円(6速ティプトロニクスS仕様)に対しトゥアレグ557万円と135万円も差があります。

割り切って考えれば、外観の差こそあれ本質が一緒であればそれは同じものなのです。

もしポルシェが好きならカイエンを買うのでしょうが、ブランド料としては少々強気なようにも思えます。
私自身は小型車が好きなのでどちらも購入意思がないことをお断りしますが、ベースが同じであれば私なら安いものを選びます。
とどのつまり、購入者の好みの問題です。

誤解しないで欲しいのは、価格差を非難したいわけではなく中身まで吟味してみないと良さはわからない、ということです。
最近、レクサス不振が騒がれていますが、専用設計でもなくマークX等のパーツ流用で製造されたクルマにベンツ並みの価格を設定していることも一因でしょう。
そもそも国内ではまだ新しいブランドなのですから、これから数十年以上たたないと何ともいえません。
たかだか数年くらいで成否を決め付けるのは、いくらなんでも思慮が足りません。

何もレクサスに限らないことです。
物を売る人や勤労収入を得ている人は、みなそうだと思うのです。
せめて最低限いただく報酬に見合うだけのものを出し続けていかないと、いずれ見向きもされなくなっていくでしょう。

結局、買い手の実利優先で選ぶようになるということは、売り手側の小細工なんかすぐに淘汰されるということです。
人気取りだけの広告戦略や不要なおまけ添付だけでは、誰も買わなくなります。

結果として、成熟した経済社会に向かっていくのではないかと思います。

本質で選ぼう。

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