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#582 / 2008.05.25

距離と時間の心理学II

前回、速くしてもさほど時間捻出はできないと書きました。

では、「速く」ではなく「早く」したらどうでしょうか。
すなわち、スピードを速めるのではなく開始時刻を早めるということです。

先に言ってしまうと、早めることは有効です。
超のつくほど天才であれば「速さ」でなんとかなるでしょうが、私のような凡人は「速さ」に頼れません。
他人より人一倍時間がかかることがわかっているから、たくさん時間を稼ぐために早く実行に移るのです。

「速さ」で勝てないからこそ、「早さ」をとる。
ひらたくいえば「質より量」の発想です。
凡人だからこそ自然とそう考えるのですが、このままでは半分正解で半分不正解です。

単純に時間をかければいいのであれば長時間活動が常態化するだけで、長期的に見れば時間捻出には結びつきません。

誤解して欲しくないのですが、たとえば分量が決まっているものなら早く始めればよいのです。
しかし創造的な仕事のように分量が決まっていないものに対しては、早く始めたからよいとは限りません。

私の場合、コラム1本あたり速くて1時間、テーマによっては数日かけて書いています。
しかし過去コラムを自分で読んでみても、短時間で書いた割には濃かったり、逆にかけた時間ほど結果として濃密ではないコラムもあったりして、単に時間をかけさえすればいいわけではないというのが正直なところです。
そんなことから、一概に速ければいいとも早ければいいとも言えません。

「速さ」もしくは「早さ」で自分の行動を効率化させる意識は大事ですが、限界があるのです。
そう考えると、自分がやるという発想から抜け出さなければ時間捻出なんてできないことになります。

そこで一案として、移動時間を徹底的に他人任せにすることはいかがでしょうか。

たとえば移動手段をクルマから電車やタクシーにシフトしてみる。
遠方であれば、新幹線や高速バスにシフトしてみる。

さらに、もしどうしても遠方へ愛車を出さなければならないときは、カーフェリーを利用してみるのです。
臨海地域にある政令指定都市だけでなく、苫小牧、大洗、敦賀、新門司など意外な都市からも利用できます。

もっと言えば、同じ時間でもコストをかけるとより時間捻出できます。
具体的には、自由席でなくグリーン車や指定席に乗ることです。
これは自分のシートを確実に確保するだけでなく、酔客やうるさい子供達を遠ざけるためです。
とくに帰省シーズンと重なると、座れないだけでなくうるさい子連れに多く遭遇して自分時間どころではなくなるのです。

自分が集中できる質の高い時間を捻出するために、あえてお金を使うのです。
つまり移動時間をできるだけ自分の手をわずらわせず、また神経も尖らせずにすむようにして、自分時間を生み出すわけです。

もし1から10まですべて自分がステアを握り続けていれば、極端な話、トイレ休憩すらもとれなくなります。
それは不幸です。
そうならないためにあなたの時間の作り方を見つけておくことが、おそらくあなたが今からでもしておくべきことでしょう。

失うお金は取り戻せても、失う時間までは取り戻せないものです。

ドラテク以上に時間捻出テクを身につけよう。

追記(2008.05.25記)

裏を返せば、移動手段をクルマにこだわらないともいえます。
高い燃料費や自分の体力、それらと移動時間を比べて納得できるのならクルマでもかまいません。
しかし暫定税率撤廃や性懲りもなく道路を造りたがる為政者達をみるかぎり、彼らに付き合わされてまでお金や時間を失うほどの価値は見出せませんね。

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