#580 / 2008.05.11
踏み間違えテロ
停止1つまともにできないことは、本当に恥ずかしいことです。
よく建物にクルマが突っ込んで、何人もの負傷者を出すという事件があります。
きまってブレーキとアクセルの踏み間違えが原因だったと報道され、またかとウンザリさせられます。
傾向として高齢者ドライバーが加害者である場合が多く、免許更新制度の拡充や免許返納を訴える人が多くいる現実です。
なかには厳罰化を唱える人もいます。
いくらドライバーが何歳であろうと、アクセルひとつで800kgから重くて2,000kgものある鉄の塊が無防備な人体に突っ込んでくるわけで「あっ、踏み間違えちゃった」で済まされては本当に困るのです。
まったく罪のない人たちを過失感覚のテロで傷つけることは、ドライバーとして最悪です。
ペダルワークが下手であることは、ときとして笑い話ではすみません。
さて、ではなぜブレーキとアクセルを踏み間違えるのでしょうか。
はっきり言ってしまうと、下手だからにほかなりません。
誤解を避けるためにもう少し説明すると、ペダルを普段から思いっきり踏むことでしか運転していないのではないかということです。
あなたは、赤信号ギリギリまでアクセル踏みっぱなしで運転する覚えはありませんか?
止まらなければいけないことがわかっているのに減速もせずアクセルを踏み続け、止まらなければと思ったところでブレーキを踏み始めるのです。
つまりアクセルONの直後にブレーキONといったイメージです。
途中にアクセルOFFもシフトダウンもないのです。
スイッチ感覚でペダルを踏んでいるんじゃないかというぐらいの運転をしてしまっているのです。
そういうドライバーは、はたから見ていてもわかります。
先々の交通状況を見ていないから、ペダルを踏むという選択しかできない。
そして停止する直前でブレーキペダルを緩める余裕がないから、いつもカックンブレーキです。
こうした余裕のない運転をするということは、つまり運転が下手なのです。
そんなスイッチ感覚のペダル操作に慣れきってしまっているから、突然のクリープ現象にびっくりして踏み間違えるのではないかと思うのです。
停止時にペダルは不要です。
極言すれば、通常アクセルもブレーキも思いっきり踏まなくていいのです。
新車販売台数でAT比率96%超の今から考えれば反論も出そうですが、普段からクリープ現象とは無縁なMT車に乗っているとそう思うのです。
アクセルOFFでもちゃんと惰性で進んでいくし、エンジンブレーキとタイヤの摩擦で確実に減速していきます。
あなたはそれにあわせてスマートにブレーキペダルを踏むだけでいいのです。
でも、本当の運転上手はいないとも思うのです。
誰だって踏み間違える可能性はあるし、一生事故を起こさないかどうかは死ぬまでわかりません。
確かに他人よりスムーズな運転ができるとかできないとかの差はありますが、ほとんど紙一重の差であって圧倒的にうまい人はいないのです。
だから心のどこかで自分は運転下手だと自覚することでもっとうまくなろうと思うし、思い上がることもなくなると思うのです。
もしまたこういった踏み間違えテロが報道されるたびに、あなたはどうすればいいでしょうか。
私は、まず「自分も運転下手じゃないかな?」と感じることだと思います。
往々にして、バカだなぁとか免許返納しろといったドライバーに対する非難に終始しがちです。
しかし明日はわが身といいます。
あなたがこれからの将来、踏み間違えテロ犯にならないとは限りません。
だからあえて自分に問いかけてみてください。
完璧にうまい人なんて、どこにもいないのです。
ブレーキペダルに頼らない運転を身につけよう。
人間がクルマを操る以上、「うっかり」も起こりえるのはわかるけど
うっかりで死傷させられたら、たまんないって。
どうしても加害者になりたくなければクリープ現象の起こらないMT車に乗るというのは、有効な解決策かもしれないね。
しかしAT比率96%超の現実を見ると、なかなか非現実ではあるけどねぇ。