#567 / 2008.02.18
1日のコスト
今この一瞬に、まさにコストがかかっているのです。
時間単価という言葉があります。
ある時間内にどれだけの費用がかかっているかを判断するために使われます。
クルマ1台に対する1日あたりのコストを考えてみましょう。
諸税、保険代、車検代、駐車場代、それにガス代など年間あたりでどれだけかかるかを洗い出してみます。
いちいち調べるのは面倒なので、維持費概算シミュレーション(別窓)のサンプルから抜粋します。
これで新車購入から手放すまでの概算が簡単に求められます。(以下、いずれも5年間維持したものと仮定)
すると軽自動車で年43万円弱、レクサスLS460クラスの普通乗用車になると年185万円程度と予測できます。
面倒なので年間あたり軽自動車は40万円、普通乗用車で180万円かかると仮定します。
上記金額を365(日)で割るのですから、軽自動車は1,096円、普通乗用車で4,932円となります。
もちろんクルマには趣味性や付加価値がありますから一概には比較できません。
とはいえマイカーに1日あたり数千円かかっているのですから、バカにはできません。
国内で高性能スポーツカーが売れにくいのは、これが遠因の1つでしょう。
鳴り物入りで発表された日産のR35型GT-R。
3.8Lで480馬力のVR38DETTエンジンを搭載し、ニュルブルクリンク北コース1周20.8kmを7分38秒で駆け抜けたと言います。
しかしそれを披露しつくせる場所は、国内の一般公道にはありません。
せいぜいスタートダッシュか高速クルージングで、性能のほんの一部を見せつけることしかできません。
あくまでもサーキット向きで一般道向きでは無いのです。
そんなクルマなうえに、マイカーにすると概算で年200万円近くかかるのです。
仮に年200万円だとして、1日あたり5,480円、もっと言えば1時間228円、1分3.8円。
道楽にしては、すこしばかり負担が大きすぎます。
素晴らしい性能を持ちながら、高すぎるコストと発揮できるステージのなさが敬遠される一因なのです。
だからこそオーナーはプレミア感に浸れるともいえますが、そういう人はほんの一握りです。
結局、一般的にはもっと安価で万能なクルマばかりが求められていくのです。
事実、コストパフォーマンスで考えれば2,000cc以下クラスで充分なのです。
つまりいくら非凡であっても、コストが高すぎるのもまずいのです。
強いてあげれば、高給取りのエリートビジネスマンみたいなものです。
エリートビジネスマン1人がいれば、仕事の回転が速まるでしょう。
しかしそれが続けば、エリートビジネスマンは会社を回し続けるだけの人で終わってしまいます。
会社はそうならないように経営していく必要があるのです。
言い換えればエリートビジネスマンが、ずっと高コストプレイヤーでいてはいけないのです。
いつかは後進の育成しなければいけないのに俺のほうが速いからやる、では部下は育ちません。
そのうちエリートビジネスマン自身も年を取って、高給に見合った仕事をしていないとなるでしょう。
絶対的な性能だけでは長続きしないのです。
仮に例えばあなたが頑張って1日仕事を半日で終わらせたとしても、コストが半減するわけではありません。
下手な節約術と一緒で、せいぜい1日分の変動費を半分にしただけです。
そもそもその仕事が必要なのかというところから考え、不要ならしないと本当に貢献したことにはなりません。
バカみたいになんでもかんでも高めればいいわけではないのです。
いくら最高性能であっても、コストパフォーマンスがよくなきゃ長期的には損になります。
瞬間的な活躍を見せるのはアスリートだけでいいのです。
しかし私達はもっと長期的に生きているのです。
効率的に運営できなければ、会社でも家計でも簡単に破綻してしまうでしょう。
要は、活躍をみせるんじゃなくて効率を高めることです。
コストパフォーマンスを底上げしよう。
もちろんGT-Rをはじめとした高性能車を求めることはありだと思います。
(それがあることで生活にハリが出るとかモチベーション維持なんて理由で)
でも、そういうのって「もっといい製品」が出たら目移りする人が大半でしょう。
どこかでそんな見栄を断ち切らないと、無間地獄に陥ってしまうかもしれませんよ。