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#561 / 2008.01.06

天地人

一見、真ん中にいるようですが、実は一番下にいるものなのかもしれません。

「天地人」と言う言葉があります。
人によっては解釈が異なったりするのですが、字面だけみれば空と地面と人間です。

高さの順で言えば「天・人・地」なのですが、「天人地」とは言いません。
おそらく古代の人々は「天地」ありきで「人」が存在している、と考えたのでしょう。
だから、「天地人」となったのではないでしょうか。

考えてみれば、人は天地を超えられないものなのかもしれません。

ことクルマに乗っていても、それは痛感します。
いくらクルマが頑丈であろうとも、台風や竜巻でクルマが破壊されることはあります。
猛烈な地吹雪が、視界と路面の摩擦係数(μ)を奪います。
濁流と化した洪水は、1t以上もの鉄の塊を軽々と押し流していきます。
それに原油は油田から採掘されるもので、大地なしでは燃料すら手に入れられません。

どんなに高性能車に乗って粋がってみたところで、人は、簡単に天地に左右されるものです。

幸いにも私は竜巻や洪水に遭遇したことはありませんが、自然を前によくそう思わされます。
とくに以前、福島県只見町を訪れた時に強く感じました。

只見町は新潟県境の街で、国道252号線を西に進むと新潟県魚沼市方面へ抜けられます。
しかし、冬季になると豪雪のため通行できません。
積雪3m以上もの高さのぶ厚い雪の壁が、魚沼市方面への通行を阻むのです。
いくらオフロード仕様車といえど、通れないものは通れません。

もちろん只見町だけではなくて、豪雪地帯の山間部は大抵こうです。

そう考えるとクルマがあっても、意外と行けない場所ばかりだともいえます。
風雨や温度などの気象条件によって左右されるし、大地にも左右されます。
結構、左右されやすい状況下で私達の生活が成り立っているものです。

孫悟空に出てくるお釈迦さまの掌よろしく、意外と世界は狭いのかもしれません。
どんなに質感が高く高性能なクルマに乗っていようと、天地の前では取るに足らないのです。

半端なプライドで「井の中の蛙」にならないようにしたいものです。

自己満足に溺れないようにしよう。

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