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#534 / 2007.09.16

東京で維持できるか?

東京は、金持ちと見栄っぱりが多い街です。

東京に滞在する機会があってしばらく観察しているのですが、高価なクルマがやたら多いのです。
BMW、ベンツ、ミニ、ゴルフ。
そのなかで少なくとも、ベンツを見ない日はありません。
たまたまドイツ車ばかりですが、高級と言うより高価なクルマがたくさん走っている街です。

これはなぜだろうと、いくつかの仮説を立ててみました。

  1. メチャメチャ稼いでいるので、その税金対策。
  2. マンション等の集合駐車場に停める場合が多く、隣よりいいクルマを、と見栄をはる。
  3. 人口が1,000万人もいるため、比率的に金持ちも見栄っぱりも多い。
  4. 諸税・駐車場代等の維持費に無知。
  5. 安い国産車なんか眼中にない、と強く信じているため。

1ならまだしも、2以降であればいずれクルマに生活を脅かされるのはないかと心配になってしまいます。

クルマに対する価値観はさまざまですが、クルマは贅沢品なのだという意識が、東京は根強い地域なのかもしれません。
そのせいか本当の超大金持ちか、あるいはただの見栄っぱりが高価なクルマを乗り回しています。
私などは地方都市でそれなりにカーライフを楽しんでいるので、彼らの懐具合を老婆心ながら気にしてしまいます。

ふと、本物とも偽者とつかない成金が多いこの街でうまく車を維持する方法は何だろう、と考えてみました。

私の結論から言えば、「持たないほうがよい」です。
純粋に地価が高く、なみいる高価車が多いこの街での車両の維持は、長期的に考えると金銭的リスクが大きいです。

ただ、それではあんまりです。
しいて挙げるとすれば、少しでも土地代の安い地域に引っ越すことでしょうか。

駐車場だけ遠方の安い地域に確保すればいいと言う人もいます。
しかしこれもダメなのです。
後述しますが、車庫証明(自動車保管場所証明)が自宅から直線距離2km以内でなければ取得できないからです。

もしかしたら個人事業主になって経費として払う方法もあるかもしれません。
しかし、私は個人事業主ではないのでなんともいえません。

仮に維持できたとしても、一度知ってしまった贅沢の味は捨てられません。
どうせ渋滞にはまるなら通勤電車でぎゅうぎゅう詰めにされるより、空調の効いたマイカーで好きな音楽でも聞きたいですからね。

また周囲に高価車が多いことは、常に比較されると感じてしまうのです。
そのためいざクルマを手放そうとするときに、さらに抵抗感を感じてしまいます。
車種にはこだわらないよと思っていても、そもそも駐車場代が高いのですからやはり負担が大きいです。

いずれにしても、うかつに東京でクルマを持ってしまうと維持費が大きいうえに手放しづらいのです。
自動車をテーマにしたこのサイトで矛盾するようですが、カツカツにしなきゃ維持できないなら持たないほうがマシです。
むしろ、レンタカーで必要時に借りたほうがいいでしょう。

身もふたもない言い方をすれば、マイカーは我々庶民から巧妙にお金を奪っていくシステムです。

自動車税、自動車重量税。
購入時のマイカーローン手数料。
ガソリン税、土地代(駐車場代)。

しかしながらそれでもクルマを維持するのは、地方では有効な移動手段に他ならないからです。
ところが東京では贅沢品という側面が強く、土地代が尋常じゃないほど高いです。

簡単に比較するために、過去に私が居住もしくは滞在していた地域の駐車場代を簡単に表にまとめてみました。

表534 1ヶ月あたりの駐車場代比較表
市区人口(人)最寄駅直線距離(m)月額(円)備考
宮城県仙台市若林区 129,000 JR仙台駅 3,000m 8,000 実際値
宮城県名取市 69,000 JR名取駅 700m 4,000 実際値
福島県郡山市 338,000 JR郡山駅 1,500m 3,000 実際値
福島県会津若松市 129,000 JR会津若松駅 2,500m 2,000 参考値
茨城県日立市 196,000 JR大甕駅 700m 3,000 参考値
埼玉県川口市 490,000 JR西川口駅 300m 23,000 参考値
東京都台東区 168,000 JR御徒町駅 300m 52,500 参考値

これは本当に一例ですが、地方では安く都市部では高いです。
まさしく、モノポリーそのものです。

逆に言えば、東京はそれだけ公共交通機関が発達しているから、クルマを所有するまでもないのです。
クルマ好きに訴えるサイトでありながら、東京では免許だけ所有していたほうがいいと書いていることに申し訳なさを感じます。

しかし、それもまたカーライフの楽しみなのかもしれません。
全国各地へ身一つで飛びレンタカーを借りて楽しめば、旅の負担も少ないし、触れたことのない新型車を運転することもできます。
しかも、常にピカピカのクルマを貸し出してくれるのです。

都度レンタカー代がかかることを懸念する人もいると思いますが、毎月数万円も駐車場代にかけ都心の渋滞に巻き込まれるよりはよっぽど経済的です。

私は出張するたび、その土地の主要駅や空港でレンタカー営業所があることを確認します。
これはとくに重要で、クルマを返す時に非常にメリットなのです。

たいてい旅先は地理に不慣れですから、帰り道がわからなくなりがちです。
しかし駅近くの営業所であれば、駅を頼りに戻ってくることができるからです。

また、電車や高速バス、飛行機などのレンタカーのあとの乗り継ぎにも余裕ができるのです。
とくに地方の交通機関は、「これを逃すと2時間後」なんていう運行形態だったりします。
私も会津地方でレンタカーを乗り回していた時期があるので、この焦りは何度も感じたことがあります。
レンタカーからの乗り継ぎアクセスは、実は一番重要なのです。

郷に入りては郷に従え、ともいいます。
地域にあわせて、所有する・しないは考えていかなければなりません。
けして、持つだけがすべてではありません。

状況によっては、自分の信じている方法が必ずしも最善とは限らないのです。

地域と状況で手段を変えよう。

追記(2007.09.16記)

車庫証明、つまり「自動車保管場所証明」は次の条件を満たさなければ取得できません。

  1. 自宅から保管場所までの距離が、直線で2kmを超えない範囲であること。
  2. 道路から支障なく出入りができること。
  3. 自動車の全体を収容できるものであること。
  4. 自動車の保有者が、自動車の保管場所として使用する権限を有するものであること。

実は、車庫証明は管轄警察署に自分で申請することができます。
ただし、平日昼間じゃないと開いていないのが、激しくデメリットです。
だから代行業者がいっぱいいるわけですが、その代行手数料で結構いい金をとるわけですね。

お役所体質が庶民を苦しめていることに、なんで気がつかないんだろう。
土日営業とかネット手続きとか面倒くさいことは、きっと対応する気ないんだね。
それとも、「鈍感力」を遺憾なく発揮しているから気がつかないのかね。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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