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#526 / 2007.07.31

ごほうび

自分にご褒美(ほうび)。
手伝いにお駄賃。
結果にプレゼント。

自分を奮い立たせるためだけでなく子供への動機付けや自分の甘えに対しても、ご褒美がしばしば使われます。
私は、ご褒美が一律にいいものとも悪いものだとも考えていません。

ご褒美は、良いご褒美と悪いご褒美があります。
良いご褒美は、受け取った人のタメになるもの。
そして悪いご褒美は、受け取った人をダメにするものです。

せっかくのご褒美なら良いご褒美だけでいいのですが、世間には悪いご褒美ばかりがあふれかえっています。

「家のお手伝いをした!」「それじゃ、お駄賃ね」
「成績アップした!」「それじゃ、ごほうびね」

お手伝いやおつかいをしてお駄賃を渡す親は約55%、成績アップや試験合格でごほうびをあげる親は約64%いるという調査報告があります。(サントリー株式会社
つまり、お駄賃は労働の報酬として、ごほうびは努力の報酬として与える大人が半数以上いるということです。

たしかに一時的なご褒美は、人を喜ばせます。
しかしご褒美を受け取ることに慣れてしまうと、人はダメになります。
なぜなら、いつしかご褒美が目的になってしまうからです。
そうなると、ご褒美なしでは動かなくなるのです。

短期的なメリットがなければやらない。
無計画な浪費を「ご褒美」として自己正当化してしまう。
そうした間違った価値観を植え付けてしまうのが悪いご褒美です。

さて、世の中にはクルマすらもプレゼントする人がいます。
私ももらったことがないので羨ましいかぎりですが、冷静に考えるとあまりメリットを感じません。

すべての贈り主がどうだというわけではないのですが、なかには貰い手のことを考えているのかなというケースがしばしばあります。

相手に分不相応な高級車を贈れば、維持費用が貰い手に重くのしかかるだけです。
かといって維持費用をすべて負担してあげたのでは贈り主が負担になるだけでなく、貰い手は苦労しない分ありがたみすら感じないでしょう。
では小型車ならいいのかというと、その分稼いでいなければ結局、負担をかけてしまうだけなのです。

たまたま自動車を例に出しましたが、無駄遣いできてしかも毎月固定費のかかる携帯電話でも同じです。
受け取った相手を便利にはさせても、相手のためになるかどうかは、はたして疑問です。
そう考えると、自動車は悪いご褒美になりやすい贈り物なのかもしれません。

贈った人を自己満足させるだけのご褒美。
受け取った人をダメにさせるだけのご褒美。
そんなご褒美なら贈らないほうがマシです。

一時的なご褒美は、結局、本当に瞬間的な甘い夢しか見せてくれないものです。

自己満足でなく相手のために贈り物を選ぼう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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