トップ > コラム > コラム No.501
 
トップ > コラム > コラム No.501

#501 / 2007.02.18

じんわりスターター

ときどきニュースで、コンビニにクルマごと突っ込んだりする事件が報道されます。
突っ込むならまだしも、なかには人身事故になるケースもあります。

こんな事件で当事者の口から言われるのは、たいてい「踏み間違えた」です。
つまり、アクセルとブレーキを踏み間違えてしまったために要らぬ事故を起こしたというのです。
些細な人的ミスかもしれませんが、それで人命を奪われるのは見過ごせません。

この手の事件があると安全装置だのフェンスだのと、何かと「つけろ」の話に終始しがちです。

確かにハードに頼ることで防げる事故もあるでしょう。
しかし、ハードでは限界があります。
安全装置を開発したとしても時間とコストは0ではありませんし、 なにより、私有地もふくめた日本全国すべての駐車場にフェンスをつけるのは現実的ではありません。

ソフト面を重視しなきゃいけないのではないでしょうか。

たまに「未熟な初心者は運転するな」という暴論もありますが、それでは解決しません。
人間である以上、誰にでもミスはありえます。
未熟の一言で片付けられる問題ではありません。

こういう場合は、過去の事例から冷静に考察してみるのも1つです。
同様の事故において、加害者の大半は「クルマが急に加速した」とか「うっかり」などと発言しています。

そこから全体の傾向として次の2つに集約できるのではないかと考えました。

  1. アクセルを強く踏む癖がある。
  2. AT車のクリープ現象を有効活用していない。

2の「クリープ現象を有効活用していない」も一因でしょうが、 特に1の「アクセルを強く踏む癖がある」が、おそらく最大の原因です。

信号待ちからスタートすると、アクセルをガツンと踏んで加速していくクルマは多いです。
そして次の赤信号では、ブレーキをギューっと踏んで、停止するのです。

ペダルはガツンと踏むもの、という意識なのです。
だから、とっさの時にいつもの調子でガツンと踏む。

いつもは「ブレーキペダルを踏む」ことができるのに、 とっさの時にはこの「ブレーキペダルを」が抜けてしまう。
これが主因だと、私は考えます。

そこで対処法はあるのかと考えてみましたが、人的ミスですから完全に防げないでしょう。
しかし、事故を減らす運転方法の提案はできます。

じんわりペダルを踏む習慣をつけることです。

アクセルペダルをガツンと踏めば燃費が悪くなるだけでなく、ミッションをいためます。
レースならともかく、通常の運転に急加速はほとんど必要ありません。

ブレーキペダルも同様で、頻繁に踏めば燃費悪化や制動力悪化に繋がります。
もちろん事故を回避するために急停止が必要なシーンもありますが、 予測運転を心がけてアクセルオフで走れば、じんわりブレーキをかけて止まれることも多いです。

とくに時速10km/h以下で動く場合、加減速のGを少なくするためにじんわりペダルを踏むことは有効です。

同乗者の気持ちで考えると分かります。
加速時にシートに押し付けられ停止時につんのめるのと、 加速や減速にGを感じないでスーッと動くのでは、後者に安心感を抱きます。

この習慣をつければ、大半の踏み間違え事故は防げるでしょう。

そもそも、停止や発進時にガツンと動く必要はないのです。
暖機も終わっていないのにアクセル全開にしたり、 停止時にブレーキまかせに停めようとしてうまく操ろうとするほうが無理というものです。

少なくとも、この状態でこんな操作をしたらこうなるというくらいの想像力は働かせてください。

言ってみれば、イソップ物語「北風と太陽」のようなものです。
乱暴に働きかけるよりも、乱暴に働きかけずに済む方法はいくらでもあるのです。

じんわり働きかけよう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

サイト内リンク