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#478 / 2006.09.18

グズからの捲土重来

人は誰しもが、何らかのグズを抱えています。
さらにたいていの人は、自分がグズであることにまったく気づいていません。

なぜか、尻に火がつかないとまったく動き出しません。
なぜか、行動以前に悪いシミュレートばかりしてしまうのです。

しかも、いざ動き出してみれば、これまたろくな結果にならないのです。

あれもこれもとやることが噴出して、落ち着かなくなったりします。
あげく完璧を求めすぎて、時間ばかりかかってしまいます。

結果、ズタボロ。
まさに蟻地獄です。

その状態は、本人が一番良く分かっていたりするのです。
では、手は打っていないのかと言えば、そんなことはありません。
本人は必死に打開策を打ち続けた上での結果なのです。

しかし、その打開策がこれまたいけません。
なぜだか、小手先のワザに走ってしまいがちだからです。

状況を打破しようとばかり、手法にこだわってしまうのです。
目的を見失ってしまうから、表面的には取り繕えても別の部分でミスが出るのです。

テンパってきて、にっちもさっちも行かなくなるのです。
表面でしか見えなくなるから、だんだん虚しさが募ります。
しかも状況は悪化してしまう。
これは相当つらいです。

自分は苦しいし、相手にも迷惑をかける。
まったくもって最悪の状況です。

逃げたいのに逃げられない。
やることすべてが無意味に思える。
そんな虚しさから、自分が無力でしかないと思い込む。
下手すれば、占いや神頼みに走ってしまいたくなる。

カルト教団信者がたくさんいる時代なんてのは、実はこれが原因なのかもしれません。


グズを笑う人は、とても多いです。
でも、笑う人がグズでない証拠はどこにもありません。

グズは、本当に怖いです。
自分はグズではないと思い込んでいるし、そうでないことを正直誓いたいのです。
しかし過去の自分を振り返ってみると、思いっきりグズだったりするのです。

例えばクルマで走っている時、意識していませんが思い当たることがあります。
右折のチャンスを1台分逃したり、あえてまったり走ったりしてしまうときがあるのです。
よく言えば「心のゆとり」ですが、悪く言えば「グズの正当化」でしょう。

自覚しないから直そうとはしないのです。
グズは自覚しにくいからこそ、怖いのです。

では、グズはどうしたら直るのでしょうか。

まず、手法にこだわるのは違うと思います。
やり方如何で速くなることも確かにありますが、それ以前の決断が遅くては意味がありません。

少しそれますが、マニュアル物にも同じことが言えます。
最近とみに検索エンジンの使い方を記した本が出回っていますが、いささか疑問です。
マイナス検索ならまだわかりますが、マニアックな検索コマンドまでは覚えなくてもいいでしょう。
第一、検索することは目的なのではなくて、あくまでも手法なのです。
クルマやゲームのように、マニュアルなしでも使えることのほうが重要ではありませんか。
むしろ小技に走れば走るほど、本質からどんどん遠ざかってしまいます。

それから、表面的な取り繕いで修正しようとすることとも違います。

飲酒運転加害者は、危険運転致死傷罪を逃れるため酔いが醒めてから出頭するといいます。
危険運転致死傷罪より、刑の軽い業務上過失致死傷罪で問われたほうがマシだからです。
逃げ得と叫ばれているのは、そういう理由からです。

でも加害者は、もともと逃げ得を意識していたわけじゃないと思います。
なんとか正気に戻ろうとして必死に逃げまくっただけでしょう。
それで、ほとぼりをさまして出頭したら、刑が軽くなっただけのことなのではないでしょうか。
つまりは、法律自体がザルなのです。

それでも罪を犯したことには変わりがありません。
平和な生活も失われた人の命も、未来永劫、戻ってくることはないのです。

話が大きくなってしまいましたが、表面で取り繕おうとしても、もはや意味がないのです。


グズを直すためには、根本から習慣を変えていくしかありません。
これは、クルマの運転とは逆なのかもしれません。

クルマは危険予測をしながら運転するものです。
しかし危険ばかりに目がいって、悪い予測しかできなくもなるものです。
だから腰が引けて、決断までに無駄に時間をかけてしまうのです。

走り始めてから、いろいろなことが気になるのもまずいです。
例えば、ケータイにいつ着信がくるかとか、今日の晩ごはんとか。
気になるとソワソワしてしまって、運転自体がおろそかになります。

人間なんてその時にできることは、たった1つだけしかないのです。
思いは膨らんでも、自分の身体は1つだけ。
だから思いついたことは全部書き出して、あとで優先順にこなしていくしかありません。

あとはひたすら速く走ることでしょう。
いってみれば、閉店時間ギリギリにお店に向かうときと同じです。

どんなに運転が荒くても、ギリギリなら間に合います。
でも上品に運転して閉店後に着いたとしても、お店は開けてくれないのです。
こんなとき「上品に運転してきました」なんてのは言い訳にもなりません。
雑でもいいから、まずは目的地まで突っ走ることです。

正直いうと、私もグズです。
ここまで書いておきながら、できないことだらけで頭が痛いです。

でも、悩んでも仕方がありません。
答えは出ているのだから、それを実践すればいいだけです。
倍返しでもツバメ返しでもなんでもいいから、必ず捲土重来を果たせばいいのです。

どうせ明日を迎えるのならば、嘆く前に迎撃すればいい。
そういうものでしょう?

なら、やるだけです。

ヘコんだ時には習慣を変えてみよう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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