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#462 / 2006.06.04

ブロークンウィンドウ

環境犯罪学にブロークンウィンドウ(割れ窓)理論というものがあります。

かつて、こういう実験が行なわれました。
治安の良い住宅街に、フロントガラスの割れたクルマAとそうでないクルマBを放置し続ける実験です。
結果、クルマAだけが次々とガラスを割られ、大半の部品は盗まれていました。

つまりは、ちょっと秩序が乱れることがどんどん無秩序を引き起こしてしまう、という理論です。

ちょっとくらい。
あいつもやっているから。

しかも、そのことで許されてしまうと、どんどん習慣化していきます。
そればかりか、ここまで許されるのならもう少しやっちゃえと自己判断してしまうのです。

この雰囲気があっという間に伝播して、無秩序が生まれるのです。
私もそうですが、人間はなんと雰囲気に呑み込まれやすい生き物なのでしょう。

今年6月1日から取締りが厳しくなった違法駐車も、導入の発端はこの人間心理からです。

確かに業務車両云々を問わず取り締まろうとする姿勢には疑問を感じます。
そのくせ郵便小包の集配車は規制対象外だったりと、半端な規制はかえって混乱を招くだけです。
業務車両は一律規制対象外でもいいと思うのですが、業務車両をよそおう一般車も増えるでしょう。

例外を作るとグレーゾーンも増えてしまうものです。
しかし例外を作らないと、運送をなりわいとするドライバーからの反発は必至です。
なかなか難しいところです。

とはいえ、違法駐車が一掃されることに私個人は賛成です。
クルマ大国でありながら違法駐車が普通にまかり通っている国です。
日本のクルマ文化の程度の低さを世界に露呈してしまっているのは、とても恥ずかしいことです。

些細な問題こそ、最重要課題です。

たかだか路駐だと誰かが思う。
そして、ちょっとだからとクルマを停めてしまいます。

これを見た次のドライバーが、「自分も停めちゃえ」と思うのです。
そして5人停め、10人停め、気がつけば道路が駐車場になってしまうのです。

あいつもやっているから自分もやろうと判断をさせる雰囲気になっていくのです。
人間心理としてはわかりますが、自分がしたいからやってしまおうというのでは、犬や猫と同じです。

そうではなくて、悪い雰囲気を断ち切る行動ができるかが大事です。

さすがに違反駐車の取り締まりまではできませんが、一緒になって停めないことならばできます。
少しでも違反駐車の雰囲気づくりに加担しないことです。
個人でできることは、そのぐらいなものです。

本当は、ドライバーのモラル教育や駐車場代の低価格化を考えないといけない問題です。
かといって、個人レベルでの解決は難しいでしょう。
それならば、時間がかかっても個人でできることを1つずつ実践していくのみです。

未来を良くしていくために、できることからやってみることです。

小さな意識改革からはじめよう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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