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#458 / 2006.05.08

ハーメルン

勧誘的な言葉たちがたくさん踊っています。

こんなにいいんだからあなたもやったらいかが、というよくあるものです。
古くはダイエット手法や健康食品、最近では株式投資やアフィリエイトといったところです。

どういうわけか、自分の成功体験をここぞとばかり勧めたがるのは、圧倒的に女性が多いです。
確かに視覚的な話、男性から勧められるよりは女性から勧められたほうが圧倒的にいいものではあります。
とはいえ、書店に行けば「あなたもできる!」だの「必ず叶う!」だの、妙に息巻いたタイトルにほとほとうんざりです。

ハーメルンの笛吹きよろしく、実は裏で誰かが笛を吹いているんじゃないかと思うのです。
証券会社や広告代理店がバックにいて、自称「成功者」達をカモフラージュに大衆をうまく誘惑している。
それに気づかず飛びついた人たちが、あとでバカを見てしまう。
最近やたら「自己責任」なる言葉がまかり通っていますが、悪行を正当化させるための方便と考えれば合点がいきます。

これは、あくまでも深読みです。
もちろん、挑戦することを恐れていては何もできませんが、自分からすすんで罠にひっかかる必要はありません。

勧めたがり屋というのも迷惑なものですが、それをホイホイ受けて将来どうなるかが見えない人も迷惑なものです。

クルマにもあります。
例えば自動車保険。

通勤用とかレジャー用といった漠然とした使用用途を聞いて、車両保険やら対物補償額などをお勧めしてくれるのですが、 相手の言いなりに全部お勧めを適用すると、不要なものまでたくさん保険をつけることになってしまいます。

「あなたのために」という美辞麗句なら誰でもいってもらえます。
しかし、それが「本当に」あなたにとって一番有益なものかどうかはあなたが判断しないといけません。

そのお勧めがたとえ自分のためだったとしても、本当に価値があるかは自分の価値観で決まるものです。

「どれを残して、どれを捨てるか」です。
時には捨てる決断をしなければなりません。

捨てることができなくなってしまうと、お得意様のいいなりになりすぎて奴隷化した企業のようになります。
感情だけの付き合いで本当に捨てることができません。
収益は悪化するのに、いいなりでさらに値引きしないといけないのです。
こうしてだんだん悪循環を引き起こし、従業員にどんどん苦労を負わせてしまいます。

目先の利益目当てで受注した案件ほど、お客は文句ばかりいってくるのです。
儲けが安いくせに、口は一丁前に出してくる。
そんな客なら、最初から受注しなければいいのです。

ただそうはいっても私もあなたも人間ですから、簡単に捨てることなんてできないでしょう。
だから断ち切ることに抵抗があるのです。
そうしてズルズルとあなたは蝕まれていきます。

そんな悲劇を長期で起こさないために、最初の段階で目先だけのことにとらわれてはいけないのです。
よく成果主義の会社が失敗しているのは、この目先の利益だけにとらわれて長期的な利益で損失を被っているからです。

運転も同じです。
なんとなく速そうな近道ほど、実は大渋滞しているものです。

目先の快感を目的にしてはいけません。
目的は、もっと長期的な視点の中にこそあるはずです。

真贋基準を自分の中に持とう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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