#45 / 2001.08.01

古いバカ人形

映画「A.I.」。

その映画は、見る人すべてに深い感動を与えてくれた。
と、同時に、我々にある問いかけをした。

作中に、こぐまのぬいぐるみ型ロボットが登場する。
彼は人間の男の子にかつては大事に愛されていたらしいのだが、突然投げつけられてしまう。
「いらないよ!こんな古いバカ人形!!」

確かこんな感じのセリフだったと思う。
彼は「機械」だ。
人工知能が進化して、彼らは感情を持つことができた。
そして、言語を操れるまでにいたった。

彼は投げつけられるとき、何を感じただろう。
まさに、彼は「人格」を否定されたのだ。

自分に興味を持たれなくなることは、とても悲しい。
人間ならば、わかるはず。

ところで。

自動車のライフサイクルは早い。
購入後2、3年で乗りかえる人が多いように思う。
中古車情報誌をみると、2年落ち3年落ちの文字をよく目にする。

新型車がよほど魅力的で、乗り換えられたのかもしれない。
オーナーの事情で泣く泣く手放されたクルマもあるだろう。

言い訳などいくらでもあるだろう。
でも、結局はオーナーに手放されてしまったのだ。

すぐ飽きる人よ。
棄てられることには敏感なのに、棄てることには無頓着なのか。

出会った頃は喜ばれ、数年ですぐに飽きられる。
それは「機械」じゃない。ただの「道具」だ。
「道具」は仕事さえこなせれば良いのだ。
代わりなどいくらでもある。
「道具」には思い入れなど無い。

私は、1台のクルマを、動かなくなるまで愛しつづけたい。
そこまで愛せないのに手に入れてしまうことは、「機械」に失礼だ。

永く愛して。