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#439 / 2005.12.23

ロザリオ

「今から逢いに行くよ。」

ケータイの受信メールに残された、あの人からのメッセージ。

しばらく逢えない日が続いた。
もう何ヶ月ぶりだろう。

「待ってるよ。」

返信したけど、本当はもう待ちたくなんかない。
いくら電話で繋がってても、そばにいなけりゃ意味がない。

今頃、きっと猛吹雪のなかを必死に走っているんだろう。
免許をとって早5年。
親のクルマを乗り回してきたけど、やっと自分のクルマを買ったんだ、と言ってた。

「せっかく帰るんだから、おニューのクルマ、見せてあげるね。」

見せることは口実だってわかってた。
鉄道も飛行機も動かないこの状況では、吹雪にさらされながらも最速で着く手段がクルマなのだから。

でも、まだ来ない。
知らせがなければないほど、余計に心配になる。

いつだって待たせる側は楽。
「あとちょっとだから」で終わりだから。

でも、待ってるほうはつらい。
「あとちょっと」の「ちょっと」って、いったいいつまでなのさ?

待つことが、こんなにつらいことだったなんて。

土産は、いらない。
着くのが遅くなってもいい。
無事帰ってきたら、それでいい。

祈りたいことは、星の数ほど。

明日のこと。
あさってのこと。
そして、これからのこと。

でもそれより今は、天を仰ぎ、無事を切に祈るのみ。

大切な人の無事を祈ろう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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