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#437 / 2005.12.11

雪の教え

豪雪に耐える縦型の信号機。
昼でも薄暗いスノーシェッド。
積雪量を物語る赤白ストライプのポール。

センターラインには融雪装置。
それも鉄分の濃い地下水のおかげで、道自体は茶褐色に変色しています。

いくら国道でも、冬季閉鎖は当たり前という世界。

スタッドレスタイア装着は必須条件。
オールシーズンタイアなんて、雪道に役立たない装備をしている人は誰もいません。


それだけ厳しい世界になるのは、相応の環境があるからです。

風は冷たく、そして痛い。
襲いかかる吹雪に対して口をあけることもままならず、じっと奥歯かみしめこらえる。
傘なんかでは雪はしのげません。
道行く人の何人かは、冗談ではなく、本当に笠をかぶっています。

雪国に寡黙で朴訥な人が多いのは、極寒の冷気がそうさせたのかも知れません。

1年の半分は雪との共存。
そんな雪国の人達だからこそ、雪国なりの対策や走り方があります。

雪かきひとつみても、雪国、とくに豪雪地帯の人は本当に雪かきがうまいです。
ちゃんと流雪溝があり、そこに雪を捨てていきます。

降雪の少ない地域に住んでいると、そんな意識はありません。
流雪溝もないし、まともな雪かき道具を持っていない人もいます。
「通り過ぎるクルマが雪を細かくしてくれるさ」とばかりに、雪を道路に捨てていったりします。
しかしそれをやってしまうと、一度はとけますが夜に再凍結したりして、非常に危ないのです。

雪国の人はおおむね、「急」のつく動作をしていません。

急発進、急ハンドル、急停止。
これらは摩擦係数の低くなった路面で命取りになります。
2WDだろうと4WDだろうと、すべるものはすべるのです。

雪道では、どんなドライバーでもすべる危険性があります。
そしてすべり始めると、心臓がおそろしくバクバクします。
これを一度やってしまうと、たいていの人は謙虚になり、より安全運転になります。
私見ですが、雪国の人に安全運転が多いように見えるのは、バクバク経験が多いからだと思うのです。

少なくともスノードライブをするならば、その環境に合わせた準備や心構えが必要です。

その場にあった対応をしないと失敗するというシーンは、雪道以外にもたくさんあります。
例えば、冠婚葬祭に呼ばれているのに普段着で行ってしまうようなものです。
これは恥ずかしい。

対応策を知らなかったという人も出てくるでしょう。
しかし「無知もまた罪」です。

ともすると、自分のスタイルを貫くことがカッコいい、という人もいるでしょう。
しかし、それだけでは貫けない壁というのも、確かに存在するのです。

あなたの常識に、みんなが付き合ってくれるようなことはありません。
あなたのスタイルを通すことも結構ですが、その場の空気を読むことも大事なのではありませんか?

今いる環境になじもう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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