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#429 / 2005.10.16

真・裸の王様

軽い口は、取り返せません。
どんなに取り返したくても、一度出したものは、たやすく戻せないものです。

深夜の高速道を気持ちよく飛ばしていくのと同じ。
アクセルを踏んでいるうちは、気持ちよくガンガン突っ走れます。

そして、線になっていく景色。
ますます止められない恍惚感。

出せば出すほどハイになる。
ハイになるから、加速する。
それはまさに、脳内麻薬です。

よせばいいのに、気持ちよく舌がまわるものだから、もう止まりません。
リミッターなんか、とうに吹っ飛んでしまいました。

そういうときに限ってオービスがひょっこり顔を出すのです。

落とせないスピード。
慌てるブレーキ。
とっちらかる挙動。

そしてそのまま自爆。

状況が状況だけに、 何をやっても、もう遅いのです。


自分の経験上、止まらない人には口八丁な人が多いです。

イメージだけ提示して「チャッチャッと用意できるでしょ?」と、無茶な要件を提示する顧客。
自分で作るわけでもないのに、安易に「できます」「やれます」と言う営業職。

その根拠のない断言は、いったいどこから出てくるのでしょうか?

いざ、始まれば資金も納期も破綻するのです。
イメージと現実では、本質はとんでもなく異なるものです。
結果、信頼を落とすのみで何ひとつ生み出さないのです。
そのイメージ力のなさは、もはや罪です。

イメージ力が足りない人が増えてしまいました。

もっと正確に言えば、自分に都合の悪いイメージができない人が増えてしまった、です。
最悪な状況も考えずに、ただ自分に都合の良いイメージだけで突っ走ってしまうのです。
そして悲しいことに、同調ばかりで忠告してくれる人がいないのです。

ガンガンいこうぜ。
迷わず進め。
我の願いの通りに進む。

そんなのは策士でもなんでもなくて、ただのやぶれかぶれです。
「裸の王様」の話をご存じですか?

前しか見ていないペーパードライバーではないのです。
飛び出してきそうとか、シフトダウンしないとまずいとか、そんなイメージ力は必要なのです。
いい加減、自分で気づきなさい。

そのイメージ力のなさは、きっと命取りになります。
無駄に資金を失い、無駄に時間を費やし、何ひとついいことなどありません。
クルマなら最悪、死亡事故の当事者になることでしょう。

順風満帆なら、むしろ疑いなさい。

調子のいい時ほど、むしろそれは、どこかが破綻しているからかもしれないのです。
悪い現実ほど、じわじわと水面下で進行するものです。
気づくのが遅いほど、きっとあなたは打つ手すら無くなるでしょう。

その浮わついた心、一度引き締められてはいかがですか?

絶好調を疑おう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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