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#4 / 2001.04.22

わかば時代の淡い想いで

私は運転することが大好きです。
運転することが楽しくてたまらないのです。

ステアをきる瞬間、 ギアシフトでノッキング無しに繋ぐ瞬間、 タイアから伝わる接地感。

全ての感覚、音、挙動が、クルマを操っている「実感」に繋がります。
実感は、昇華することで「喜び」に変わります。

しかし、免許取りたての頃は運転することが嫌いでした。
なぜならクラッチの繋ぎ方が恐ろしく下手だったからです。

アクセル開度がやたら大きい。
繋ぎが早すぎる。

教習車の「エンストしにくい」クラッチと、市販車の普通のクラッチとでは感覚がまったく違うのです。
教習車のクラッチに慣れきってしまうと市販車用の繋ぎ方を覚えなければならなくなってしまいます。

例えば軽自動車はもともとエンジン回転数があがり易いため、極端な話、雑なクラッチ操作でも発進します。
ところが普通車の場合、クラッチを繋ぎながらアクセルもある程度ふかさないといけない。
この「ある程度」がいったいどの程度なのかを体得しなければならないのです。
ここがマニュアル車初心者の最初のヤマ場です。
教習テキストには「半クラ」と書いてあります。
「排気音が変わったら」と書いてあっても、私にはまったく分かりませんでした。

私はここで苦労しました。
幹線道路でエンストするたび、顔から火が出るほど恥ずかしい思いをしたものです。

広い駐車場で一人寂しく発進停止を繰り返す自分。
その度にエンストするのです。
そして自分は下手だなと落ち込むのです。
親など同乗しようものなら感情的に笑われる始末。
落ち込みから、怒りの感情にかわるのがわかります。
しかし教えをもらう身だとぐっと堪えるしかありません。
辛いです。
その経験から、知らない人間に教えるときは、絶対感情的になるまいと決意しました。

しかし、何遍も繰り返すたびにわかってくるのです。
目の前のタコメーターばかり気にしていたのが、だんだん排気音で繋ぎどころがわかる。
エンストしかかっている時、再度クラッチを切りなおすことを覚える。
そしてスムーズに発進できるようになる。

何事も知識より体得しないと身につかないのです。

教えるときは理性で、覚えるときは回数で。

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