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#362 / 2004.08.06

ジマン・コウマン・バカノウチ

よく武勇伝を口にする猛者がいます。
彼らが口にするのは、きまって「私には、こんな輝かしい過去がある」です。

有名校を卒業しましただの、過去にこんな仕事をやってきましただの、 よくもまぁ過去に通った道を、それもことこまかに覚えてるものです。

あなたの過去は聞いていません。

過去を自信の糧(かて)にするのは、いいことだと思います。
しかし、自慢するのは愚の骨頂にすぎません。

この広い世の中ですから、自分よりすごい人間などたくさんいるのです。
どんな世界でも、上を見上げれば上がいるし、下を見おろせば下がいます。

自分が一番だと思ったら、大間違いです。
人並みでしかないのなら、たやすく自慢なんてしてはいけません。

本当にすごい人ほど、いろんな道を走ってきています。
高度100メートル以上にかかる細い陸橋の上、 昼間でも幽霊の出そうな古びたトンネルの中、 かと思えば、海抜マイナス地帯を抜ける日の当たらない地下路線。
1年365日絶えず休まず走っているから、淡々としたものです。
淡々としているから口にだすこともありません。

でも、そういったルートを初めて通る人はドキドキしています。
2回3回走った人でも、ドキドキしています。
ドキドキしているから、その経験を他人に自慢したくてウズウズしているのです。

つまり自慢する人は、まず間違いなく経験の浅い素人です。
そんな素人だから、ぬるい自慢を聞いた人が心の中で噴きだしていることに気がついていません。

最高速度で考えると分かります。
140km/hで走ったことがあると自慢すれば、160km/hで走ったことのある人は「なんだその程度か」と思い、 180km/hで走ったことがあると自慢すれば、200km/hで走ったことのある人は「なんだその程度か」と思うものです。

結局、自慢が生むのはイタチごっこです。
誰かが自慢すれば、「私なんて」と出てきます。
そうなると自慢した人はムッとなって、応酬してしまうのです。
自慢の先にあるものは、不毛でラチのあかない無限ループです。

つまり、自慢なんかする意味が無いということです。

過去に自分がどんなルートを走ろうとも、それを口にする必要はありません。
いちいち口にしなくとも、どんなルートを走ってきたかはオーラで分かります。

そもそも自慢で自分は陶酔できても、相手は不快しか抱きません。
そんなつまらない自慢ならば、しないほうが全然マシです。

自慢は胸にしまっておこう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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