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#358 / 2004.07.17

ア・シンメトリー


シンメトリー(symmetry)

物体の構造上、1つの理想形はシンメトリー(左右対称)にあります。

頑丈な軸を1本つくり、その軸を中心に左右対称になるよう付随物を付加していくと、 安定感のある物ができあがります。

ちょうどクルマで言えば、軸はまさにプロペラシャフトです。
プロペラシャフトとは、トランスミッションから後輪側のデフ(ディファレンシャルギア)を繋ぐ軸です。

軸を作ることは、安定感を出すためだけではありません。
骨格を作ることでもあります。

まず「こういう物を作る」というゴールを作り、次にそのためのスタート地点を決めます。
例えば、こうして書いている文章も、実は骨格から作って書いています。
結論の「〜しよう」がゴールであり、先頭の文章がスタートになります。
ときおり、ゴールとスタートの間にキーワードを含ませておいたりもします。

この骨格をあらかじめ作ってしまうことで、作る上でのブレや迷いが少なくなります。


アシメトリー(asymmetry)

非対称も、考えようによってはアリです。
対称だけが理想形とは限りません。

かつて、スズキ・ワゴンRには「1+2ドア」が設定されていました。
運転席、助手席、そして助手席側の後部座席にそれぞれ1枚ずつドアが設定されているボディ形状です。

よくよく見れば非対称な設定ですが、これはこれで理にかなっています。
停車中に、運転席側の後部座席に座る人が急にドアを開けるなんて心配がないのです。
特に小さい子供だと、後ろも気にせずドアを開けてしまうことがありますが、 もともとドアが無ければ、気にする必要なんてないのです。

人間の急所である身体の中心ラインからそらすために心臓が左側についているように、安全のための非対称なのです。


物を作ろうとした場合、手法はどうあれ、目的を達成するものであればOKだと私は考えます。

さきのシンメトリーとアシメトリー。
理想形はシンメトリーでしょうが、考えようによっては、アシメトリーでもアリです。
必ずしも、すべてがシンメトリーにしなければならないということは、ありません。

シンメトリーだろうとアシメトリーだろうと、まずは目的を達成できるかが重要なのではないでしょうか。


これは意識の問題です。

何かを作るうえでやたら1つの手段にこだわる人がいますが、それに凝り固まってはいけません。

Webサイト1つとってもそうです。
このブラウザでなければ見てはいけないだの、このソフトでなければ良いページは作れないだの、 あげくファイル転送にはこのツールでなければいけないなど、制約ばかりつける人がいます。
そのくせ、お得意のソフトやツールをバリバリ使いこなすことで、すっかり上機嫌になってしまっているのです。

あくまでも、手段は手段です。

ページを作成してアップロードするだけならば、テキストエディタとFTPコマンドだけでも充分です。
ところが、ページを作ることが目的となってしまっているから、たった1つの手段にこだわってしまうのです。

これでは、伝えることが目的なのではなくて、作ることが目的となってしまっています。

ことWebサイトにおいての目的は、自分が何を伝えたいか、です。
もし自分の技術を見せ付けたいだけならば、それはただの自慰であり、そのための手段でしかありません。

それにたった唯一の手段しかないと、その手段がなくなった時、あなたはどうしますか?
何もできなくなるのではないですか?

手段にこだわりはじめた時点で、手段におぼれ、目的を見失ってしまうものです。

いいかげん、手段にこだわるのはやめましょう。

目的を見極めよう。

追記(2004.07.17記)

毎年、夏になるにつれ、右と左の肌の色に違いが出てきます。
今年も右腕がこんがりしてきました。
まさしく非対称です。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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