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#343 / 2004.04.25

バニティ・ミラー

リアビューミラーが他人を映す鏡とするならば、 バニティミラーはさしずめ、己の真実の姿を映す鏡といったところでしょうか。


車種にもよりますが、日よけの裏にはバニティミラーがついています。
停車時に自分の顔を覗きこめる小さな鏡です。

バニティミラーに限らず、鏡には不思議な魔力があります。
覗きこむ者の本当の姿を映しだすのです。
とくにバニティミラーは普段隠れているだけに、自分の意思で見ようとして初めて見るものです。

顔のつくりは遺伝が大きく関係しているにしても、それ以上にひどく歪んで映る人がいます。

本当にお金ですべてが買えると思い込んでいる人。
相手に対して何でもかんでも「でも」「しかし」の否定語から切り返してしまう人。
家族や友人の喜びに、難癖からしかつけられない人。
見栄っ張りのくせに、本当はものすごく寂しがり屋で自分の存在意義を見いだせていない人。
「あなたがしたら私もしよう」と、必ず受け身から行動する人。
現状への不満はたくさんあるくせに、文句ばかり垂れて改善しようとしない人。
どうでもいいブランド品やうんちくをひけらかして、相手より優位に立ちたがる人。

それらはすべて表情に表れています。

よく見てください。
その目、その口、その顔つき。

どことなく必死で、 どことなく焦燥してて、 でも、どことなく哀愁を誘う表情ではありませんか?

表情は、人生の縮図です。
いくらパーツが綺麗でも、歪んでいたら綺麗ではありません。

確かに、すべてにおいてパーフェクトな人というのはいないけれども、 かといって、歪みっぱなしでいいわけではありません。


歪んでいる人間は、絶対、幸せになれません。

行動が歪んでいると、それは表情に表れます。
表情は、自分には見えません。
他人は、あなたの表情を見てひいてしまうでしょう。
つまりは、無意識のうちに人を遠ざけてしまっているのです。

でも自分では、そこが分からないのです。
分からないから、さらに歪んだ行動をとる。
そして余計にひかれてしまいます。
悪循環なのです。

そうすることで真の理解者だけが残るだろう、それでいけないのか、という人がいます。

それはそうです。
人は同じ価値観の人間しか分かり合えない、そういうものです。
だから最後に残るのは、真の理解者ではなくて自分と同等の人間だということです。

つまり、自分の周りにいる人間を見た時に、 素晴らしい人間ばかりだという時は、自分も周りに匹敵するぐらい素晴らしい人間だということだし、 くだらない人間ばかりだという時は、周りじゃなくてあなたが一番くだらない人間だということです。

無意識のうちに、同じ価値観をもつ人間同士が寄り集まってしまうのです。
それはあなたの想いや信念が表情となって、周囲にこういう人間ですよとアピールしているからに他なりません。

すべては、あなたの表情があなたの人生を決定しているのです。
ということは、いつも笑顔でいたほうが幸せな人生を歩めるということです。


信号待ちをしたら、バニティミラーを覗きこんでみてください。
どんな自分が映っていますか?

鏡に向かって笑顔を作ろう。

追記(2004.04.25記)

vanity [英] 虚栄(心)、空虚、無価値(な物)……
なんだか皮肉なネーミングだね。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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