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#334 / 2004.03.13

衝突安全技術・予防安全技術

クルマには2つの安全技術があります。
1つは予防安全技術(Active Safety)、もう1つは衝突安全技術(Passive Safety)です。

予防安全技術

まず予防安全技術とは、事故を起こさないようにする技術のことです。
みずから積極的に動いて事故を未然に防ぐことから、アクティブセイフティとも呼ばれます。

さらに細分化すると、事故未然防止技術と事故回避技術にわけられます。

前者は、自車周辺や自車の状態を早く正しく把握して事故を未然に防ぎましょう、という技術。
そして後者は、自車の運動性能を高めて危険を回避しましょう、という技術です。

カーナビやハイマウントストップランプ、操作性のよいインパネ、視認性のよくなる着座位置など、 普段当たり前のように使う装置に、事故未然防止技術が盛り込まれています。

また、ABS(ブレーキ時のタイアロック防止)やスタビリティコントロール(横滑り防止)など、 車の運動性能に関する装置は、事故回避技術によるものです。

現代では予防安全意識が浸透しているので、市販の新型車には、これらほとんどの装置が組み込まれています。

衝突安全技術

どんなに事故を防ごうとしても、事故はやっぱり起きるもの。
ならば衝突時にどれだけ被害を食い止められるか、これが衝突安全技術の考え方です。

細分化すると、衝突時被害軽減技術と衝突後被害拡大防止技術の2つにわけられます。
前者は安全ボディやSRSエアバッグ、後者は燃料漏れ防止機構や難燃材の使用に活かされています。

よく「エアバッグ搭載だから大丈夫」と考えている人もいるみたいですが、シートベルトと併用しないと意味がありません。
瞬時に開いてすぐしぼむだけでは、乗員は車外に投げ出されるだけです。

角度や衝突箇所によっては、エアバッグは作動しないのです。

あくまでもSRS(補助拘束装置:Supplemental Restraint System)エアバッグは、補助装置でしかないのです。

以上、大きく2つの安全技術が実現し市販化されています。
何げなく乗っている皆さんのクルマにも、これらの装置が組み込まれているのです。
メーカーは、いろいろな技術を考えて実現させています。
これらは素晴らしいことです。

しかし、我々ドライバーはどうですか。

シートベルトを締めていますか。
予知運転に努めていますか。
チャイルドシートなしで、子供を乗せて走ってはいませんか。

いくら安全な車だったとしても、何か根本的なことが抜け落ちていませんか。

メーカーの技術力におんぶに抱っこでは、あまりに危なすぎです。
クルマは棺桶ではありません。

少なくてもシートベルトは締めましょう。
あとで「しておけば良かった」なんて泣き言を言いたい時には、すでに遅いのです。

頼るだけでなく自衛しよう。

追記(2004.03.13記)

2001.10.06に技術論としてアップしたテキストを修正しました。
いつになっても、我が子をエアバッグにしているバカ親の多いこと。
ニュースで報じる虐待事件に眉をひそめるより、身近にあるこんな虐待に気づくべきでしょう。
(参考資料:本田技研工業 安全への取り組み Guidance of HONDA SAFETY)

追記(2009.10.05記)

スタビリティコントロールシステムは一般にESC(Electronic Stability Control)と呼ばれ、急ハンドルや滑りやすい路面でクルマが横滑りするのを防止する装置です。
メーカーにより呼称はさまざまですが、基本的な機能は同一です。

表334 スタビリティコントロールシステムの呼称
メーカー呼称
スズキ ESP ®(Electronic Stability Program)
スバル VDC(Vehicle Dynamics Control)
ダイハツ VSC(Vehicle Stability Control)
トヨタ VSC(Vehicle Stability Control)
日産 VDC(Vehicle Dynamics Control)
ホンダ VSA(Vehicle Stability Assist)
マツダ DSC(Dynamic Stability Control)
三菱 ASC(Active Stability Control)

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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