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#318 / 2004.01.11

ファミリーセダン

多くのクルマ好きからみれば、ファミリーセダンは興味の対象ではないのかもしれません。

例えば、スタイリッシュなボディデザイン、高級感、突出した運動性能などを持つクルマだと、注目を浴びやすいです。
そのためか、高級車、スポーツカー、カッコいいミニバン、オフロードSUVなどを街中で見かけると、 ついつい目がいってしまいます。

それに比べてしまうとファミリーセダン、こと一昔前に主流であった小型普通車クラスのセダンは、 クルマ好きからすると取り立てて興味をそそられることは少ないです。
スペック的に突出したものがなく、またオーソドックスな4枚ドアセダンタイプだから、普通の乗用車としてしか見られにくいものです。
言ってみれば、地味な存在なわけです。

家族向け用途の乗用車をファミリーカーとすれば、1,000ccのコンパクトカーから2,400cc前後のミニバンまで多種あります。
セダンより低燃費、あるいは広い室内を持つ車両の台頭。
それは、従来ファミリーカーの代名詞だった1,500ccや1,800ccクラスのセダン離れに繋がるのです。

地味こそ底力。

ユーザーの興味が薄れていったとしても、メーカーにとっては重要な車種です。
トヨタ・カローラセダンや日産・サニー、あるいはホンダ・シビック。
実際の販売台数は、月に10,000台以上売り上げたホンダのオデッセイやフィット(共に2003年12月)と比べると、 カローラセダンですら4,099台(同)でした。
それでも重要な車種というのは、 こうした売れ筋の車種のベースとなっているのが、ファミリーカーだったりするからです。

普通ならばメーカーの旗艦とも言うべき車種に目が行きやすいですが、それだけではメーカーを維持できません。
低燃費、扱いやすい動力、快適性、取り回しのよさ。
万人を納得できるこうした性能を持ったファミリーカーをしっかり造って販売していくことで、 メーカーが維持できるのです。

どういうことかといえば、ファミリーカーを使ったユーザーが、快適だね、乗りやすいね、と感じれば、 そのメーカー製品を愛用するのです。
そして次もまた、同じメーカーから買おうと思う。
そうして利益があがってそのメーカーは、はじめてスポーツカーなり高級車なりが開発できるのです。

もちろんスポーツカーや高級車からそのメーカー製品を使い始めるケースもありますが、 そういった人達よりは、普通のファミリーカーを求める人達の数が圧倒的に多いのです。

商品体系の中では地味な存在かもしれませんが、 地味であってもしっかりした製品を造り続けることで、底力がついてくるのです。

これは、仕事や学業、なんでも同じです。

お茶くみやコピー取りは、地味な仕事に見えがちです。
問題集をひたすら解き続けていくのは、ともすると非常に地味です。
アスリートなら筋トレや反復練習、若葉ドライバーなら車庫入れや幅寄せ、 こういった練習をし続けていると、「光の当たらない地味なことをしているな」と錯覚してくるものです。

でも、地味の繰り返しが自分の実力となるのです。

華やかな場で実績をあげている人を見て、焦ってはいけません。
その人とあなたは、実は、目と鼻との差しかなかったりするのです。

常に、コツコツと密かに底力をつける時期です。

地味であるからこそ、むしろ手を抜かないのです。
むしろ地味だからこそ、他人の干渉がなくて一番鍛えられるのです。

人知れず鍛えよう。

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