トップ > コラム > コラム No.314
 
トップ > コラム > コラム No.314

#314 / 2003.12.25

ナビシート

いつも運転席に座っていると、同じ視界しか見えません。

先日、友人のしのぶさんが持つトヨタ・アルファードの助手席に乗せてもらいました。

高級な室内に高い視界。
小型ハッチバック車の視点に慣れてしまっているから、驚きの連続でした。

助手席に乗せてもらって、東京の市街地を案内してもらっていると、ふと気がついたのです。
クルマの左半分が怖いのです。

とくに路駐車両の脇を通り過ぎるときが、怖かったのです。
それはけしてしのぶさんの運転が怖いわけじゃなく、路駐車両の影から誰かが飛び出してきそうな怖さです。
視点が高いだけに、路駐車両の窓越しや足元ごしには、人影が見えません。

路駐車両を抜くとき、いつもはブレーキに右足を置いておくのですが、それができないと結構ドキドキします。
運転手のしのぶさんを信用していないわけではないのですが、 どうにも即ブレーキできる環境にないと落ち着きません。

普段でも路駐車両からの人影には注意していますが、いつも以上に路駐車両との間隔が近いと本当に怖い。
よく助手席にばっかり座っている彼女を「楽だよな」という彼氏がいますが、 助手席に座っているのも、それはそれで、また大変なのです。

路駐車両そばを通り過ぎるときは、突然の人影でも対応できるようゆっくり走ること。
これにあらためて、気づかされました。

視点を変えれば。

いつも同じ場所から見ると、考えも凝り固まってしまいます。
先の視点の話はまさにそうで、常日頃見ている視点ばかりだと、別の視点から考えるということができなくなります。
いつもの視点が、いつしか当たり前になってしまうのです。

私生活でもそうですが、よく「それは常識」だの「当然」だの言う人がいます。
しかし、それは物事を一面からしか捉えていない証拠でもあります。

主観的でなく、客観的に見渡すことが大事です。
とくにクルマを運転する身であれば、前方だけでなく左右後方、 ときには天候や路面状況も瞬時に把握しなければなりません。

もっといいのは、上空高く羽ばたく鳥の気持ちになることです。
真下にいる自分を見下ろすように考えると、全体像がざっくり見えてきます。
道の形状、そばを走るクルマ達の流れ、近くにどんな建物があるか、をぼんやり眺めてみるのです。

でも運転席にいると、死角ばかりで見えないところばかりです。
だから、わずかに見たものだけで、すべてを知ったかのような考えを持ってしまうのです。
それでは、狭い了見にとらわれてしまうので、とても危険です。

逆に言えば、視点を変えると、普段は意識しないことにも気づきやすくなるのです。
それをクルマで身近にするためには、例えば席を替えてみたりすること、なのです。

意図的に第2者、第3者の立場で自分を眺めてみるのも、また楽しいものです。

助手席に座ってみよう。

サイト内リンク