トップ > コラム > コラム No.281
 
トップ > コラム > コラム No.281

#281 / 2003.07.21

ボア・ストローク

一般的な自動車用エンジンは、レシプロエンジンです。
レシプロエンジンとは、簡単に言うとピストンがついているエンジンです。
ピストンの上下運動を回転運動に変える仕組みをもった、エンジンです。


「筒」を、想像してみましょう。
直径80mmの筒です。
今では少なくなってきた、8cmのシングルCDがたくさん詰められそうな筒です。

その筒の中に「栓」が動いています。
理科で習った、空気鉄砲の実験を思い出してみましょう。
栓を2つ入れて押し棒で押すと、空気圧でもう一方の栓が吹っ飛んでいくという、あの実験です。

その栓が1つだけ筒に入っていて、決まった範囲を行ったり来たりしています。
行き来する長さが、90mmだとします。


「筒」と「栓」は、エンジンで言うところの「シリンダ」と「ピストン」にあたります。

シリンダとピストンには、エンジン性能を示す2つの長さがあります。
シリンダ内側の直径を「内径(ボア)」。
そして、ピストンの行き来する距離を「行程(ストローク)」と言います。
先ほどみなさんが想像した筒と栓は、「内径×行程」=「80×90」になります。

内径と行程の長さには、エンジン性能のカギがあります。

  • ショートストローク型エンジン
    「内径>行程」の太くて短いシリンダ、回転数が高まりやすい。高回転型。
    例)EJ20型(92.0×75.0:スバルレガシィなど)、K6A型(68.0×60.4:スズキMRワゴンなど)
  • ロングストローク型エンジン
    「内径<行程」の細くて長いシリンダ、回転数が落ちにくい。街乗り重視型。
    例)1NZ-FE型(75.0×84.7:トヨタカローラなど)、CR14DE型(73.0×82.8:日産マーチなど)
  • スクエア型エンジン
    「内径=行程」。バランス重視型。
    例)K20A型(86.0×86.0:ホンダインテグラなど)

ショートストローク型は、小刻みにジャブを打っていくタイプ。
ロングストローク型は、長いリーチで継続してパンチを放つようなタイプです。
クルマの諸元表を見ると、搭載されているエンジンの「内径×行程」から、だいたいの性格が読めるのです。


人の気持ちも同じです。
エンジンは気安く替えることはできませんが、気持ちは切り替えることができます。

普段は、ロングストローク型でいいです。
できるだけテンションを落とさず、一日一日を過ごしていく。
何かあるときだけ、ショートストローク型になればいいのです。

そもそも人間の集中力は、せいぜい1時間。
もって、1時間半が限度です。
それ以上は、集中力が持ちません。

ダラダラすることが美徳な人へ。

会議や飲み会、あるいは残業で、ダラダラ残りがちではありませんか?
会議は決まらないし、酒席で悪口大会になってしまう。疲れているから仕事能率も落ちてしまう。

スパッと切り替えましょうよ。

「細く長く」と、「太く短く」。
2つの切り替えが今よりうまくできたら、いろいろできてもっと楽しい人生がおくれるのではないでしょうか。

集中するときと、継続するときを、切り替えよう。

追記(2003.07.21記)

自分のは、「内径×行程」=「85.0×65.8」でした。
どうりで、かなり無意識のうちに回しています。
水平対向エンジンは、行程に限度があるからどうしてもショートストローク型ですね。

サイト内リンク