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#276 / 2003.07.04

スタート直前

拍動は、準備完了のサインです。

例えば、レース直前。
シグナルが赤から青になる瞬間。
わずか一瞬ですが、この瞬間が一番ドキドキするのです。

何が起こるんだろうと期待感からドキドキする人もいれば、 うわぁ始まっちゃうよと妙なプレッシャーからドキドキする人もいます。

私は、後者です。
始まっちゃえばどうにでもなれと腹を括るくせに、スタート直前はものすごくドキドキするのです。

学生時代のマラソン大会では、とくにドキドキしていました。

「よーい」

「パァン」。

スタート直前のこの微妙な間が、すごく長く感じられるのです。
それだけ極度に緊張しているんだと自覚できてしまえる位の時間が、非常に長いのです。
だからレース中継や箱根駅伝のスタートシーンを見るたび、選手もドキドキしているんだろうなと思うのです。

今でもスタート直前は、気分の良いものではありません。
そんなとき、高校時代の担任が言っていたことを思い出すのです。

「ドキドキするのは、もう準備ができた証拠だ」

この言葉に救われました。
ドキドキしているのは緊張しているのではなくて、ウォーミングアップだというのです。

クルマで言えば、アイドリングです。
いきなりエンジンをかけて全開にするとクルマを傷めてしまいます。
アイドリング中は動かなかったり、またトロトロ走ったりするのは、クルマを長持ちさせる技術でもあります。
エンジン回転数が落ち着くまで本調子で走らないのは、しっかり準備している途中だということです。

人間も同じです。

いきなり全力で動いてしまうと心臓にものすごく負担がかかるから、わざとドキドキして負担に慣れておくのです。

ドキドキさせて全身に血流を流していく。
脳に、手に、足に。
そうすることで、自分を高めていくのです。

ギアも同じで、停止状態から発信させると1速、2速と繋いでいきます。
1速を繋ぐとショックが大きいですが、ギアが上がるたびそのショックは小さくなっていきます。
1tもの物体を動かすのですから、最初ほど負荷がかかるのです。

つまり、一番プレッシャーがかかるのは、いつでも創めたときなのです。
それさえ乗り越えてしまえば、あとは楽になっていくだけです。

つらいのは、今だけです。

自分を、いっぱいアイドリングさせよう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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