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#270 / 2003.06.11

キンコンアラーム

やさしい音ほど、警告なのです。

古いクルマには、アラームがついています。
105km/h以上でキンコンキンコン鳴るのです。

ゲームや走り屋マンガの影響のせいか、キンコン鳴るのを知っている人は多いです。
しかし、実際に運転させて聞いたことがある人は少ないと思います。

ウィンカーのように等間隔でキンコン鳴るイメージを持っている人もいるでしょうが、実際のキンコンは不等間隔です。
実際、乗り回していたAE91カローラは、不等間隔のキンコンでした。

「キ・コン ・ ・・コン ・ キンコン ・ ……」
文字では言い表せないけど、「キン」のところが短かったり消えていたり、かと思えばちゃんと聞こえるのです。
でも、「コン」は1秒半刻みにしっかり鳴るのです。
「コン」は等間隔だけど、「コン」から次の「キン」まで等間隔ではないから、不等間隔に聞こえるのです。

このキンコンが、やわらかい警告です。

クルマの出す他の音を思い出してみると、物としての音がします。
ドアを、強く閉めたとき。
タイアのスキール音。
クラクションや排気音。

どこか威圧的な感じがしてしまうのです。
でもキンコンは、やわらかいベルの音に聞こえます。

そのやわらかさが、むしろ警告なのです。

例えば、もしアラームがブザーだったら、何も知らないドライバーは驚くでしょう。
高圧的に「スピード落とせ」と言われたら、むしろ反発したくなります。
仮に激しくフラッシュする警告ランプをメーターにつけたとして、 他の計器が見えなくなってしまうのでは、もっと危険です。

こういった「明らかに警告である内容」は、最初は効きます。
しかし、これが続くと、人は「またか」と思ってしまいます。
つまり、警告慣れしてしまうのです。

ところが、やわらかい警告は脳裏にこびりつくのです。
あとで失敗に気づいたときほど、思い出すのは、やわらかい警告です。

本気で警告してくれる場合は、あとあと「だから言っただろう」と失敗に気づかせてくれます。
しかし、やわらかい警告の場合は、警告はしてくれるけどそこから先はありません。

結局、やわらかい警告とは「警告したから、あとは頑張って」という突き放しです。
それだけに、どこで失敗したかもわからないし改善点も自分で見つけなきゃいけないのです。
それに気づくのは、いつも失敗した後なのです。

つまり「やわらかい警告」とは、物腰はやわらかいけど、裏があるのです。
逆に言えば、本気で警告してくれる方がありがたいのです。

これは、警告する側にとっても同じです。
凄んで警告より、物腰やわらかく警告したほうが効くのです。

やわらかい警告ほど、気を引き締めよう。

追記(2003.06.11記)

せーりゅーさんより、AE91でも鳴らなかったとのこと。
年式やグレードでも違いがあるのかもしれません。
不勉強でした。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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