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#265 / 2003.05.25

近視眼

視線は、大事です。

私の経験から言えば、ドライビングが上手いか否かは、そのドライバーの視線移動にあります。
上手いドライバーほど遠くに視点を置き、周囲もチラッチラッと絶えず見逃しません。
逆に下手なドライバーは、自車の直前数10mくらいしか見ておらず、視線はほとんど同じ箇所から動きません。

視線を遠方に置くためには、正しい姿勢が大事です。

運転席に深く腰をかけ、背中を背もたれにピッタリあてます。
ステアを握っても腕が伸びきらない位置にシートをスライドさせます。
シートベルトをつけると腰骨とミゾオチのあたりにベルトがかかります。

ここで、アゴを引きます。
ここが、ポイントです。

アゴを突き出して走っていると、正しい視線は得られません。
正しくない姿勢で前ばかり見ようとするから、運転に無駄が出てしまいます。

運転が上達しないのは、技量不足よりも、姿勢が悪いからなのです。
プロのレーサーやラリードライバーで、アゴを突き出している人はいません。

こと、運転に自信がないと自覚するならば、視線を遠くに置いて走ってみましょう。

遠くを見据えてみよう。

正しくない姿勢のドライバーは、かなり多いです。
正しくない姿勢とは、だいたいが前のめりに座っている姿勢です。

もっというと、前をよく見ようとして顔だけ前に持っていってしまう人です。
これは女の人に多いのですが、前方のみに意識が集中してしまいがちなのです。
そしてその姿勢に慣れてしまうから、だんだんと猫背になってしまいます。
でも、本人は猫背になかなか気づきません。

そのうえ、顔は前を向いているのに、背中を丸めてしまうからアゴが誇張されてしまう。
つまり、アゴを突き出しているのです。
この見栄えは、最悪です。
例え好青年や絶世の美女であっても、アゴを突き出して走っているドライバーに、誰がときめきますか。

前のめりになる人というのは、本当は、一生懸命な性格の持ち主です。
なにせ懸命に、前を見ようとしているのですから。
それゆえに、正しくない姿勢になりがちです。

前を見ることばかりに執心して、本来の安全運転という目的が失われてしまうのです。
つまり、一生懸命さが、かえってアダとなってしまうのです。

要するに、カラ回りに終わるということです。

懸命さがアダになるのは、何も運転ばかりではありません。
生きていれば、そういうことはままあるものです。

自分の子供に、希望ばかり押し付けて可能性をつぶしてしまう、期待過剰な親。
モテようとして自身を磨く前に、女から嫌われないようにと容姿を磨いてしまう、チャラチャラ男。
止せばいいのに、過度に化粧や香水で飾り立てる、ケバくてくさいだけの女。

懸命さはわかりますが、どうも方向性が違うようです。
最近、「自分はここまでやっているのに!」とお思いではありませんか。
それは、方向性が間違っていることに、もう一人の自分が気づいているのです。

まずは、方向性の違いに気づきましょう。
そして、冷静になってみるのです。
「手段」ばかりに目がいって、肝心の「目的」がなおざりになっていませんか。

気づいたら、できるだけ直してみましょう。
気づきながらも続けるのは、確信犯です。

大事なのは、カラ回りに気づいて自分で修正していくこと、です。

カラ回りしていないか、気づこう。

追記(2003.05.25記)

運転が苦手な人は、本当は緊張しているだけです。
人は緊張すると、近くをこまごま見てしまうものです。
すると知らぬ間に、下ばかり見てしまう。
下ばかり見るから、どんどん消極的思考になる。
だから、視線を遠くに置けなくなってしまうだけなのです。
だったら、緊張をほぐせばいいだけです。
クルマを止めて、深呼吸5回してみてください。

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