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#257 / 2003.04.24

はじめてクルマで走った日。

1996年1月。
雪が深々と降る夕暮れ。
オートマ(AT)の教習車。
クルマは、たしかトヨタ・コロナ。

今でも覚えています。

エンジンをかけた時、いつも運転している親と同じ位置に立てたような気がしました。
本当に嬉しかったです。

教習所内をグルグル回って、止めたり走ったり。
でも、教官に言われるままペダルを踏んだだけです。
楽しいとか難しいなんて抜きに、「乗った」ということだけが印象に残っています。

でも、嬉しかったのは最初だけ。

次からの教習車はマニュアル。

クルマが動くたびに冷や汗がぐっしょり出るのです。
坂道発進は力任せにできましたが、S字や駐車で苦戦。
さらに縦列駐車など、何がなんだかわかりませんでした。

走るだけなら簡単なのに、ギアシフトがあるだけでこんなに大変なのかと思い知りました。

できることなら、もう走りたくない。
これが、正直な気持ちでした。

少数ながらオートマ限定の受講生を見ると、なんだか楽そうに見えてきます。
ガチャガチャやらなくてもクルマが走れるのなら、それに越したことはありません。

なんでみんなマニュアルシフトで取ろうとするのでしょう。
おおかた、「オートマ限定よりはマニュアルも有ったほうがいいだろう」くらいの気持ちなのでしょう。
とりあえず、免許を取るまではマニュアルで、あとは親のオートマで。

しかし私には、そんな選択はありませんでした。

当時、実家のクルマはマニュアル車しかありませんでした。
そして、今でもそうだったりします。

結局、マニュアルシフトを覚えないことには、クルマに乗れなかったのです。

そうして親のクルマで練習すること3ヶ月。
人様のクルマにぶつけそうになったこともあるし、コーナーで曲がりきれずにはみ出しそうなこともありました。
そのたびに、どっと冷や汗が吹き出したことを今でも覚えています。

今でも、思い出すたび冷や汗が出ます。
とりあえず汗をかかずに走れるようになるまで、辛かったとしか覚えていません。

そして今でも、マニュアル車に乗っています。

純粋に、マニュアル車の方が楽しいと思います。
むしろ、オートマでなくて良かったとさえ思っています。

苦労した分だけ、きっぱり捨てられないからでしょうか?
それは、あるかもしれません。

辛いことほど、想い出深いものです。

はじめて接した日は、心底受け入れられないと思いました。
でも、続けることで、一つずつ受け入れられることを知りました。


もしあの日。
第一印象で、ダメだと決め付けていたら。

きっと今乗っているクルマは、違うクルマになっていたでしょう。
まったく別の、クルマ生活を営んでいたに違いないはずです。
当然、このサイトをつくろうとはしなかったと思います。

異性も、友達も、勉強も。

かえりみれば第一印象が良かったなんてのは、本当に数が少ないのです。
ちょっとずつ触れてみて、それで近づいていくことばかりでした。

クラッチと同じです。
いきなり繋ぐから、ギクシャクするのです。
クラッチのように、ゆっくり探りながら繋ぐのがうまいやり方なのでしょう。

たしかに、第一印象は大事です。
話し手がいたら、見た目5割、声4割、話す内容1割以下というくらいで、視聴覚に訴える要素は大切です。
でも最後は、接触回数が増えるから好感がもてるものなのです。

第一印象が「キモイ」で終わっていませんか。
闇雲に避けてばかりいませんか。
ゴミでも見るかのような視線を送ってしまっていませんか。

もしそうだとしたら、きっとそれは、貴重な可能性を自分でブチ壊してしまっているのかもしれません。

あなたの「はじめて」は、どんな日でしたか?

「はじめて」で、すべてを知ったつもりになるのはやめよう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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