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#255 / 2003.04.15

ビュリダン

むかしむかし、あるところに、一とうのロバくんがいました。
ロバくんは、たべものをさがしながら、さまよっていました。

するとむこうに、ほし草の山が、二つ見えてきました。

ロバくんは、みぎのほし草をたべようとしました。
「でも、ひだりのほし草がおいしそうだぞ」

こんどは、ひだりのほし草をたべようとしました。
「やっぱり、みぎのほし草がおいしそうだぞ」

さあ、こまりました。
みぎを見れば、ひだりがおいしそう。
ひだりを見れば、みぎがおいしそう。

ついにロバくんは、二つのほし草の前で、立ちどまってしまいました。

「みぎがいいかな。ひだりがいいかな。うーんうーん」

ずーっと、ずーっと、かんがえてみました。

「こっちもいいなあ。うーんうーん」

いっぱい、いっぱい、かんがえてみました。

「どっちにしようかなあ。うーんうーん」

ロバくんは、ほし草のまえで、ずーっとかんがえていました。


そんなあなたに足りないのは、決断力。
適当に選んで後悔したり、悩みすぎて何にもできなかったりしていませんか。

右左折、追い越し、信号停止。
相手の動きが読めなくてあなたは焦るでしょう。

でも、そんなあなたに巻き込まれる他のクルマは、もっと可哀相です。

悩んだところで、現状は変わりません。
なにごともそうですが、決断までの時間は無駄な時間でしかありません。


たいようがしずんでも、「うーんうーん」

お月さまがてらしていても、「うーんうーん」

よるがあけても、「うーんうーん」

「うーんうーん……」

ぱた。

けっきょく、ロバくんは、どちらも食べずにしんでしまいました。

悩む前に動こう。

追記(2003.04.15記)

ジャン・ビュリダン 14世紀・仏国の哲学者
「ビュリダンのロバ」と言う話には、2つのえさの他に、えさと水バージョンなど諸説あります。
人もロバも、迷いながら生きる生き物です。

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