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#249 / 2003.03.22

プア・シート

シートを倒して、テーブルに早変わり。
向きが回転して、対面で座れる。
3列目をたためば、広大なラゲッジが出現。
フルフラットになるから、車中泊もOK。
アームレストもあるから、快適ラクチン。

ミニバンの謳い文句に、シートアレンジがあります。
各社で発売されている3列シートミニバンは、どれもシートアレンジできる設計がなされています。

いくつかシートアレンジモードがあります。

  • 標準
    全席、前を向いて座れる状態
  • フラット
    ヘッドレストを外して、背もたれを完全に倒してフラット(平ら)にした状態
  • 対面
    2列目シートの向きを後ろにして、ボックス席にする状態
  • テーブル
    背もたれを前に倒して、シート背面部分をテーブルにする状態
  • ラゲッジ優先
    3列目シートをたたむかどかして荷室を作る状態

この他、いろいろなシートアレンジがあります。
例えば、三菱・デリカスペースギアは2列目シートを90度横向きにしたベースキャンプモード。
またトヨタの上級ミニバン・アルファードにもなると、2列目助手席側のシートに全自動リフトアップ機能もつけられます。
これなら座ったまま車外に降りることもできます。

国産ミニバンで、現在33車種。
これだけのクルマが、6席以上用意された乗用車として販売されています。
ふと、シート産業が一番儲かっているのではないか、などと考えてしまいました。


さて、私は中古車展示即売会によく行きます。
もちろん買う目的ではなく、ただの冷やかしです。
でも、いろいろなクルマに見て触れることができるから行きます。
いじくってみると、国産ミニバンのほとんどには重大な弱点があることが分かります。

シートアレンジが、アダなのです。

床下に収納したりシートをスライドさせないといけないから、どうしてもシートが簡素になってしまいます。
シートが床下収納できればまだいいほうで、シートを折り畳んだり窓側に跳ね上げないといけなかったりします。
小型車で最小クラスのミニバンなど、3列目には足の置き場もありません。

3列目シートが邪魔になる、狭いラゲッジ。
名ばかりのフルフラット。
申し訳程度のアームレスト。

それでもシートの上質化より、シートアレンジを第一義に考えて作られてしまう現状です。
またユーザ側も、最初は興味本位でシートアレンジを満喫しても、 だんだん面倒くさくなって標準モードしか使わなくなってしまうのではないでしょうか。

もちろん車中泊やキャンプ目的でミニバンを使用するドライバーもいますから「シートアレンジ絶対不要」とは思いませんが、 かといって「無ければならない」機能とも思いません。
7人乗れることは確かにメリットでしょうが、快適にみんな座れるかといったらそれはNOではないかと思います。

先日乗せてもらったシボレー・アストロ(スタークラフト)の馬鹿でかい黒革シートを体験させてもらいました。
2つ確信しました。
長時間乗せてもらうならシートは最重要だということと、日本車のサイズでは面積的に無理だということです。

広い車内を活かすなら、シートアレンジしなくてよいから5人乗りでシートを上質に替えたクルマが良いと思います。


機能より質をとることも大事です。
言い換えるなら、「できること」より「素性」を取ろうということです。

恋人選びと同じです。
単に「料理が得意な女性」や「母性本能をくすぐる男性」だけで選ぶのは、早計です。
依存し合うだけの異性を選ぶこともあります。
なかには、自分が守ってあげようとダメな男性を選んで失敗する女性もいます。

まちがって結婚までしてしまうと、取り返しがつきにくくなります。

一生懸命に稼いでくることが男の甲斐性。
一生懸命に子供を育てることが女の甲斐性。

こう考えてしまうと、収入や育児という機能が優れているだけが大事だと勘違いしてしまいます。
一番大事な「配偶者」が置き去りにされているからです。

これなら、相手を考えてくれる性格の相手を選んだ方がよっぽどマシです。
いくら機能を重視しても、使わなければ無意味です。

つまり「できること」より「素性」が大事だということです。

素性を取ろう。素性を良くしよう。

追記(2003.03.22記)

さて以前、私は新車派だということを書いたことがあります。
それは、私は新車しか購入したことがないからです。
10年近い期間で乗るつもりだから、ドーンと新車を買ってしまおうという考えなだけです。
かといって中古車に興味がないわけではありません。
今日も行ってこようっと。

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