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#176 / 2002.08.08

s a t i s f a c t i o n ?

スタイリッシュで、 3列シートでみんなが乗れて、 荷物がいっぱい積めて、 でもスポーツカー並に運動性能が高くて、 高級で、 オフロードでもへっちゃらで、 衝突しても頑丈で、 燃費は良くて、 低公害車で優遇税制が効いて……

そんな全てを満たす夢のようなクルマ。
あなたは、いかがですか。

要りません。

あれもこれもとすべて満たそうとする様は、非常に「醜い」です。
多機能は「使うことができる」と謳っているだけです。
でも実際は、無駄な機能が多すぎて使いこなせていないものばかりでしょう?
無駄満載なものは、ただのゴミにすぎません。

限定商品も同じ。
クルマの場合だと、「リミテッド」だの「特別仕様車」だの銘うたれています。
確かに、あの装備もこの装備もついて価格を抑えましたという商品は、ごまんとあります。
それらがすべて、喉から手が出るほど欲しい装備だったら、納得できます。
そういう商品ならば、私も買うでしょう。
でも、いらない装備まで抱き合わせで買わされる必要はないのです。

対価を払うものは、すべてそうです。
ものだけでなくサービスにいたるまで、すべて。

買い手側の価値基準が曖昧すぎるきらいもあります。
「あると便利かも」「いつか使うかも」
そこで迷います。
でも、迷っても意味がないのです。
必要に迫られないで手に入れたものなど、一生使わないのですから。

迷うのは、手に入れた後に訪れるだろう楽しい生活を夢見ているだけ、です。
べつに、夢を見るのはかまいません。
どうせ買うならば、買ったあとに飾りで終わらないか真剣に考えてみることでしょう。
ものだったら埃を被らせておくだけですが、ペットだったら面倒を見てあげなければなりません。
参考書だったら、自分の知識にすることができるかが判断の分かれ目です。
買って活かすことができるかが、手に入れるときの重要なポイントとなります。

ものを手に入れるときは、真剣勝負です。
絶対に譲れないもの1つ以外は、すべて切り捨ててもいいくらいの意識を持つべきでしょう。

さきのすべてを満たすようなクルマだと、ミニバンかSUVが近いのかもしれません。
でも、よく考えてみましょう。
フル乗車など滅多にありえないのに、3列シートミニバン。
オフロードなんて走りもしないのに、SUV。
確かに便利だろうけど、この手のクルマにスポーツカー的運動性能が必要とは思えません。
むしろ低中速域のパワーが求められるし、それにあった排気量を選べばいいのです。
でも、もともと大きなボディを動かすのだから、排気量も当然大きくなります。
そうなると、低燃費とは相反するでしょう。
すると、先のようなあらゆる欲望すべてを満たすものなどないことがわかります。

何でもかんでも満たそうとすると、結局、中途半端な存在で終わってしまいます。
「スポーツカーです、でもミニバンです。オフロードだって行けるんです」
そんな売り文句を聞かされたら、かえって中途半端な感だけが残ってしまうものです。

ものも同じ。
あなたがもので満ち足りているつもりでも、金持ちなんかじゃないのです。
「便利かも」「使うかも」という都合の良い幻想にとり憑かれた、ものの亡者になってはいけません。
ゴミに埋もれている金持ちなど、どこにもいないのです。

だったら、最初から必要なものだけ持てばいいのではないでしょうか。

無駄がてんこ盛りだと、本当に必要なものが何かを見失います。
まるで、冷蔵庫の中に期限切れの食材がいっぱい詰まっているようなものです。
探したい食材がすぐ見つからない上に、期限切れ食材と一緒なので悪くなりやすい。
おまけに余計な電気代もかかる。
なかには、まだ食えるかもと残してある食材もあったりします。
保存する為の冷蔵庫内で食材を悪くするのでは、意味がありません。

使用頻度の高いものだけあれば、あとは片付けてしまいましょう。
そんな不要なものまでゴテゴテとなければ、あなたの心は満たせないのですか?

手に入れるときこそ真剣になろう。

追記(2011.11.02記)

文体を変更しました。

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